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■プロフィール

野牛重兵衛

Author:野牛重兵衛
会社を実質的に自主廃業し『自由人』となる。
自ら『脱藩浪士』と名乗り自由な日々を生きることにした。
常陸国在住
60歳・・・還暦である。
今もって独身!(笑)
これからも独身!(大笑)
今さら、もう無理!(大笑)

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『檄文昭和史』


まえがき

1 御聖示を賜りたく (天皇直訴事件)

2 あかつきの共産党大弾圧 (3・15事件)

3 満蒙はわが国の生命線 (満州事変)

4 打て、打て、打て (抗日ビラ)

5 起って真の日本を建設せよ (5・15事件)

6 中国侵略を正当化 (共産党員の転向)

7 君側の奸を斬れ (2・26事件)

8 何というザマです (磯部浅一の獄中日記)

9 ジャーナリスト魂の死 (「他山の石」廃刊の辞)

10 帝国の光栄を保全せむことを (開戦の詔書)

11 出撃の前夜記す (特攻隊員の遺書)

12 死をもって大罪を謝す (阿南陸相の自決)

13 帝国軍人最後の抵抗 (厚木航空隊事件)

14 校長、副校長よ去れ (上野学園闘争)

15 人民政府樹立万歳 (共産党の再建)

16 民主天皇という名のシナリオ (天皇の人間宣言)

17 過ちは繰り返しませぬから (原水爆禁止運動)

18 私たちは5月19日を認めない (声なき声の会)

19 内閣総理大臣佐藤栄作閣下 (ベトナム反戦の焼身自殺)

20 「明日のジョー」の悲しき証明 (よど号事件)

21 もののふの魂はどこへ行ったのだ (三島事件)

22 いまさみしくってしょうがない (少年の自殺)

昭和史略年表

あとがき



「檄(げき)」とは、相手の罪悪などを挙げ、自分の信義を述べて、衆人に告げる文書のことをいうらしい。
本書に収められている22の文書を見ると、「檄文」と言えるのかなと思うものがいくつもある。
私の「檄文」の印象とかけ離れている。
しかし、著者は思考・想念の世界から、行動の世界に飛翔するためのスプリングボードが「檄文」であるという。
そのため、本書に収められた文書は、訴状だったり宣言だったり、遺書だったりと、表現形式が違うが、現実に行動が伴えば「檄文」なのだという視点で本書を著したそうだ。

読んでいて、初めて知ったことも多い。
「天皇直訴事件」「上野学園闘争」など・・・
こういう事件があったのかと驚く。

「原水爆禁止運動」として掲載された「檄文」は碑文である。
『安らかに眠って下さい 過ちは 繰り返しませぬから』の文章で有名な碑文を「檄文」として取り上げている。
この碑文を書いたのは当時、広島大学文学部で英米現代詩を教えていた雑賀忠義(さいかただよし)という教授だということを初めて知った。
この碑文は、当時からあまり評判がよくなかったそうだ。(今も評判が悪いと思うが・・・)
誰が誰に対して「過ちは繰り返さない」と言っているのかがわからない・・・というもの。
その真意を本書に書かれているし、その後のことも書かれていて興味深いが、私としては、やっぱり納得のいかない碑文である。

「ベトナム反戦の焼身自殺」はショッキングな話である。
佐藤栄作総理宛の「抗議書」が、本書で取り上げた「檄文」であるが・・・・
首相官邸前の路上で焼身自殺したのは72歳の老人である。
さぞかし過激な人なのだろうと思ったら、まったく、そうではないのに驚いた。
現代では、この人のように淡々と総理に抗議して自殺するような人はいないだろう。
TV番組のコメンテーターのように、総理を誹謗中傷する人は多いが・・・

「少年の自殺」は、16歳の少年の遺書を「檄文」として取り上げられている。
ちょっと考えさせられる事件である。
少年は私より1歳年下・・・福島県のある小さな町で生まれる。
家庭の経済状況はよくなかったのだろうか・・・・中学を卒業して就職のため地元を離れる。
地下鉄工事の雑役夫として働くが、その後、工事現場のコンクリート製水槽の中で自殺した。
その遺書を読むと、彼の気持ちがわからないでもない・・・
自分が上京して裸電球1個がぶら下がっている四畳半のアパートで一人暮らしをし始めたころの寂しさを思い出す。
彼の心中の吐露も、また「檄文」である。

面白い視点からの昭和史だった。


今年の読書:7冊目

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読書 | 11:29:03