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野牛重兵衛

Author:野牛重兵衛
会社を実質的に自主廃業し『自由人』となる。
自ら『脱藩浪士』と名乗り自由な日々を生きることにした。
常陸国在住
60歳・・・還暦である。
今もって独身!(笑)
これからも独身!(大笑)
今さら、もう無理!(大笑)

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『混迷の知恵』
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『混迷の知恵 遠すぎた島ガダルカナル』
著者 松浦行真
発行所 (株)情報センター出版局
昭和59年8月7日 第1刷
定価 3800円

  歴史を無視する者は歴史に処断される
     元大本営参謀 瀬島龍三

第1部

南進
  蒼穹(そうきゅう)に舞う零戦
  密林を逃亡する自由
とまどい
  “ラバウル陥落”の意味を知る男
  日本の南進を阻止せよ
信頼は力
  愉快な昨日と自信に満ちた明日をもつ提督
  読み解かれるD暗号
表出する矛盾
  陶酔の初春
  “長期持久”か“短期決戦”か
  陸海軍対立の原点
  妥協の産物としての第二段作戦
「応急物動計画試案」
  戦時下の国力を計算せよ
  統一なき世界戦略と惨憺(さんたん)たる国力
  勝利なき戦いへの道
沿岸監視員たち
  親切と同情心による統治
  自分自身がすべてである自由の世界
  勇気の代償
「勝利の計画」
  戦争へのパースペクティブ
  勝つために必要であるなら
凶兆
  破綻の兆候
  幻想の「戦時物動計画」
  “聖戦”をめぐる利権

第2部

田中・服部・辻
  “下剋上”と“幕僚統帥”の構造
  “主戦派”と“回避派”の確執
  ノモンハン事件の戦訓
あらたな展開
  海軍の爆弾的提案
  最初の東京空襲計画
  蹉跌への選択
ポートモレスビー攻略作戦
  察知されていた作戦機密
  憂鬱なる作戦準備
  申し分のない無血占領
  最初のエラー
  決戦前夜の珊瑚海
姿なき最初の海戦
  「祥鳳」の沈没
  過失だらけの海戦
  放たれた矢はとどいた
  寡黙な戦場の花
油断
  ミッドウェー攻略作戦発動す
  緊張の弛緩と慢心
ミッドウェーに散る
  運命の決断
  悪夢の一瞬
  自省なき敗北
戦闘なき戦争
  純情の落日
  陽の目をみる対日反抗作戦
  「リ」号研究作戦とSN作戦
  “危なっかしい”作戦
望楼作戦
  またも辻参謀
  5000キロの感触の落差
  連合軍の不協和音
8月7日
  『汝の敵を知れ』
  再会の明暗
  靄(もや)が動いている
暁の上陸
  ラバウルの逡巡
  戦火なき波紋
  確実な進撃
  史上最初の玉砕
海の夜戦
  夜襲の条件
  “不安と疲労”という名の敵
  幸運とエラーと

第3部

全滅
  希望的観測
  軽率な第一歩
  全滅への序曲
  砂洲を赤く染めて
混迷のとき
  大統領の心がわり
  なしくずしの“ガ島放棄論”
  将軍の一徹
  黙示的な出陣
血ぞめの丘
  快進撃の空洞
  密林というもう一つの敵
  夜は短すぎた
  第二夜・第一グランド
  夜明け、そして転進
逸機
  異端の戦略思想
  “近代戦”の試み
  餓島
  最後の手ぬかり

  錯雑、停滞、過労
  二つの更迭
  棺桶の片隅
  後退、あるいは死への行進
転機
  無情な風聞
  万策つきて体面残る
  虚栄と我執
  達観と義憤
  以心伝心
地獄のなかの真実
  信頼の誕生
  静謐(せいひつ)にして凄絶(せいぜつ)なる越年
  命令は最後の夜にとどいた
奇跡は起きた
  撤退決行
  疑心暗鬼
  夢
  岸辺
  彼我を超えて

資料
  年表
  参考文献

あとがき



著者はサンケイ新聞の論説委員や編集委員を歴任したジャーナリスト。
本書は750ページ以上もの分厚い本で読みごたえがある。
副題には「遠すぎた島 ガダルカナル」と題されているが、ガダルカナル戦のことだけが書かれているわけではない。
ガダルカナル戦に至るまでの日米開戦前に遡って話が及んでいる。
内容はかなりの量の割には非常に読みやすい。
本書は1981年12月1日から1983年5月31日までの1年半にわたってサンケイ新聞の夕刊に連載したものに補筆をしたものなので、そういうこともあり読みやすいのかもしれない。
本書はガダルカナル戦の「戦記」というものではない。
当然、戦史に則しているが、主体となるのは「人間」である。
かといって、誰か一個人を取り上げた「戦記」でもない。

「勝って兜の緒を締めよ」という言葉は誰でも知っているが、実際はどうかというと、すっかり忘れてしまっているのが現実。
謙虚さを失い自己過信や自己陶酔に陥る人がいる。
間違っていると気づいても直すにはプライドが許さないという人もいる。
いざとなったら自己保身に走る人もいる。
「人間」とは、そういうものなのだろう。

誰でもミスは犯すが、そのミスが少ない方が勝つというのが戦史の常識ではないかと思う。
そういう観点からすると、米軍もミスは犯しているが、日本より少なかったから勝ったといえる。

著者の「人間」に対する見解・指摘に私はもろ手を挙げて賛成である。
軍国主義教育がどうのこうの、あれは戦時中の話だから云々、軍人だけが間違っていてその他の人は正しいとか・・・
それはあり得ない話だと思う。
今も昔も変わっていないと私は思う。
「人間」とは、時代が変わろうと、軍人であろうとなかろうと、こういうところがあるのだ・・・ということを知るべきだろう。
それには、本書は非常に適した本だと思う。



今年の読書:5冊目

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読書 | 14:03:11