投稿日:2020-06-30 Tue
黄塵の中
サンジャックの敵
インパールの灯を―見た?
幼女の眼
担架の小隊長
分屯隊の家族
密林の挿話
波の果て
求道の戦旅
揚子江岸の放浪
解説
「黄塵の中」は中国大陸での話・・・
「サンジャックの敵」はインパール作戦秘話ということで、インパールで戦った歩兵第60連隊第3大隊(福島大隊)の話・・・
「インパールの灯を―見た?」は、先の福島大隊の石川中隊の話・・・
「幼女の眼」は、中国における某部隊での話だが、戦記とは違う風変わりなエピソードの話・・・
「担架の小隊長」は中国における第3師団・歩兵第6連隊の担架小隊の話・・・・
「分屯隊の家族」も中国でのある分屯隊の話・・・
「密林の挿話」の副題は「一将校の足跡」、第18師団・歩兵第55連隊第11中隊の小隊長の、大戦初期のマレー攻略戦とビルマ戦線での話・・・
「波の果て」は特攻艇「震洋」の指揮官の話・・・
「求道の戦旅」はルソン島で戦った捜索第16連隊に配属となった軍医さんの話・・・・
「揚子江岸の放浪」は、中国大陸で戦った独立歩兵第124大隊の将校で、終戦後、中国軍に属して戦おうとした人の話・・・
これらの話は、完全な創作ではない。
ほとんどが従軍経験者から直接取材した記録を基にして書かれている。
部隊名や登場人物が実名で書かれているものもある。
が・・・かといってノンフィクションというわけではなさそうである。
こういうところが「戦場小説」の面白いところでもあり、難しいところでもあると思う。
すべての出来事が“事実”と思ってしまってはマズイわけで・・・
登場人物が実在の人物であっても、それはあくまでも“小説のモデル”であって、事実と創作が混在しているとみなくてはならない。
そういうところで混乱してしまうのだが、なかなか面白い“小説”だった。
今年の読書:37冊目
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