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野牛重兵衛

Author:野牛重兵衛
会社を実質的に自主廃業し『自由人』となる。
自ら『脱藩浪士』と名乗り自由な日々を生きることにした。
常陸国在住
57歳
今もって独身!(笑)
これからも独身!(大笑)

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『処置と脱出』




1 対岸の砲声

2 処置と自決

3 鬼に涙などあってたまるか

4 脚の折れ目から先がじゃまする

5 このまま埋めてくれ

6 貴官の腰のものを拝借したい

7 竹林よ さようなら

8 突撃

9 桃源郷

10 きさまたちかい

11 抱き合い心中かい

12 患者を拾う

13 強行渡橋

14 バヨンボンもついに空し

15 竹管の祭礼

16 捕虜の道案内

17 ウェーはどん位

18 死を待つ患者たちへ野花を

19 寄せ書きと婦女子の爆砕

20 兵隊さん殺してったら

21 易水送別

22 レストハウスも空し

23 ナムミョウホーレンゲキョウ

24 高原の酒宴

25 訣別

あとがき


本書は、福岡県の金田町の町長をされた方の従軍体験記らしい・・・
「らしい」というのは、本書の内容が、あまりにも小説的なのである。
その表現は、まるでプロの作家の手になるものではなかろうかと思うほどの、すばらしい表現なのである。
だから、よくある「体験記」という感じがしないのである。
著者は兵站病院に勤務する兵隊だったらしいが、残念ながら部隊名は明記していない。
「A兵站病院」と仮名になっている。
通常、兵站病院ならば、病院名は数字で表される。
「第74兵站病院」とか・・・
間違っても「A」などというアルファベットは使用しない。
著者はなんで自分の部隊名(兵站病院名)を明確にしなかったのだろう?
やっぱり、これは小説だからなのだろうか?
「本書は自分の体験した事実に基づいた小説です」とも明記していない。
さて、本書はノンフィクションなのか、フィクションなのか、それともノンフィクション・ノベルなのか?
このところを明確にしていなかったのは残念である。
作り話(小説・創作)なのか事実を書いたものなのかで、読み手の受け取り方が変わってしまうと思うのである。

著者の「体験」は、フィリピン戦線でのこと。
ルソン島の北部で、兵站病院は北へ北へと転進する。
つまりは、逃避行である。
本院が先に転進した後、残された分院が、その後を追って転進する。
その分院の責任者となったのが著者らしい。
本書は、その転進中のわずか1週間程度の短い期間に限定した「体験記」なのである。
短い期間内の出来事なのに内容は、かなり濃い・・・
加えて、その表現力のすばらしさには驚いた。
こういう「小説」を書いてみたいものだと思うほどの表現力である。
凄い文才だと思う。

著者の逃避行したルートは、私も過去に何度か行ったことがあるルートと重なる部分が多い。
知っている町の名前などが出てくる。
読んでいて、あ~あのあたりかと、その景色が目に浮かぶ。
北部ルソンは、進撃してくる米軍から逃れる日本軍将兵や在留邦人が悲惨な末路を辿った地域・・・
たぶん、本書に書かれていることは“事実”なのだろうと思う。

多くの人たちが、それぞれの、さまざまな体験を「体験記」として残す。
その内容は十人十色である。
本書のような、こういう体験をした人もいたのか・・・・
しかし、「体験記」を残せる人は、ある意味、幸せかもしれない。
北部ルソンの山岳地帯で逃避行中に命を落とした人たちは、その体験を書き遺すことが出来ないのである。
伝えたくても伝えられない・・・・
本書が、ノンフィクションなのかノンフィクション・ノベルなのか、フィクションなのかは別として・・・
この素晴らしい文章は、その方々の代弁もしているような気がした。


今年の読書:56冊目

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読書 | 01:12:26 | Comments(0)
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