■プロフィール

野牛重兵衛

Author:野牛重兵衛
会社を実質的に自主廃業し『自由人』となる。
自ら『脱藩浪士』と名乗り自由な日々を生きることにした。
常陸国在住
56歳
今もって独身!(笑)
これからも独身!(大笑)

■最近の記事
■月別アーカイブ

■カテゴリー
■FC2ブログランキング
■ブロとも申請フォーム
■最近のコメント
■小さな天気予報


-天気予報コム- -FC2-

■ブログ内検索

■リンク
■RSSフィード
■FC2カウンター

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告 | --:--:--
『日本占領下のフィリピン』


序章 フィリピン現代史のなかの日本占領期 (池端雪浦)

1 対日協力と対日抵抗
2 二項対立の歴史を超えて
3 日本占領下の社会―本書の概要
4 戦後への負の遺産

第1章 宥和と圧政
―消極的占領体制とその行方― (中野 聡)

はじめに
1 間接占領体制における宥和の論理
     1 「新比島建設」の論理と現実
     2 エリートとの宥和
     3 戦争指導部のフィリピン認識と占領構想
     4 消極的協調の維持とその意味
2 人見宣伝隊と宥和の論理
     1 軍宣伝の二重構造
     2 宥和的宣伝の契機
     3 イロコス地方宣伝工作の「成功」
     4 パナイ島宣伝工作の「失敗」
むすび

第2章 日本軍に夢をかけた人々
―フィリピン人義勇軍― (寺見元恵)

はじめに
1 親日フィリピン人
     1 リカルテ信奉者
     2 ガナップ党員
     3 「ユナイテッド・ニッポン」
2 三つの義勇軍
     1 クーデター
     2 マカピリ結成
     3 「鉄の腕」と「秩序の義勇軍」
     4 対日協力者に対する「特別国民裁判」
むすび 真の独立をめざして

第3章 「モロ族」統治とムスリム社会の亀裂
―ラオナ州を中心に― (川島 緑)

はじめに
1 日本のモロ族統治政策
     1 戦前のフィリピン・ムスリム社会
     2 日本のモロ族統治政策
2 ラオナ州におけるモロ族統治
3 ラオナ州ムスリム・リーダーの対応
     1 国会議員・選挙制行政官層
     2 任命制州行政官層
     3 ムスイム教員・事務官・軍人層
     4 ムスリム村落リーダー層
4 日本占領の影響
     1 戦後のフィリピン・ムスリム社会
     2 国民統合・分裂問題に対する意義

第4章 鉱山開発と現地社会の抵抗
(池端雪浦)

はじめに
1 日本の鉱山開発政策
     1 基本方針
     2 軍管理委託経営
     3 比島鉱山協議会
2 開発の実態
     1 開発の全貌
     2 マンカヤン銅山
     3 カランバヤンガン鉄山とアンチケ銅山
3 住民の抵抗
     1 労働力調達への抵抗
     2 抗日ゲリラ
むすび

第5章 棉花増産計画の挫折と帰結
(永野善子)

はじめに
1 コモンウェルス期の綿工業をめぐる輸入代替政策
2 日本占領下の棉花増産計画
3 棉花栽培の実態
     1 糖業調整との関係
     2 裏作の実施
4 まぼろしの紡績産業再編計画
5 衣料品配給制度の導入
おわりに

第6章 日本占領下における食糧管理統制制度
―コメ不足とその対応策を中心として―
(リカルド・T・ホセ 永井均 訳)

1 戦前の状況と計画
2 戦争勃発と占領の開始
3 統制経済の確立
4 ラウレル政権の政策
5 戦後の状況と政策

第7章 宗教宣撫政策とキリスト教会
(寺田勇文)

はじめに
1 宗教宣撫工作
     1 宗教班の編成
     2 初期の活動
     3 工作内容
2 田口司教の構想
     1 聖職者のフィリピン人化
     2 教会財産問題
     3 学校における宗教教育
     4 ヴァチカンとの協定
3 軍政監部の宗教政策
     1 対策要旨
     2 ヴァチカンとの交渉
4 日本占領下の教会―対日協力問題の周辺

第8章 「ダバオ国」の在留邦人
(早瀬 晋三)

はじめに
1 フィリピンへの日本人移民・植民
     1 移民・植民構想
     2 「ダバオ国」の成立
2 ダバオ在留邦人の戦争協力
     1 死亡場所
     2 ダバオ攻略と在留邦人
     3 「比島民衆の亀鑑」としての在留邦人
     4 献金
     5 勤労奉仕
     6 食糧増産
     7 ダバオ在留邦人の評価
3 ダバオ在住フィリピン人のみた日本人像
     1 ダバオで起きた戦争犯罪の記録
     2 開戦直後の殺害事件
     3 憲兵による殺害
     4 敗走中の殺害
     5 在留邦人の役割
おわりに

補章 日本占領期フィリピン史に関連する図書館・文書館・博物館の紹介

1 フィリピン (リカルド・T・ホセ)
     1 マニラ首都圏
          1 フィリピン大学ディリマン校
          2 フィリピン国立図書館
          3 フィリピン国立文書館
          4 アメリカ歴史コレクション
          5 アテネオ・デ・マニラ大学
          6 アヤラ博物館・図像学文書館
          7 ホセ・P・ラウレル記念財団図書館・博物館
          8 ロペス記念博物館
          9 サント・トマス大学
         10 トマス・ジェファーソン文化センター
         11 その他の図書館や文書館
     2 マニラ首都圏以外
          1 中部フィリピン大学
          2 サン・カルロス大学セブアノ研究センター
          3 シリマン大学図書館
          4 西ネグロス歴史委員会
2 日本 (川島緑・永井均)
          1 防衛庁防衛研究所図書館
          2 国立国会図書館憲政資料室
          3 アジア経済研究所
          4 外務省外交史料館
          5 国立公文書館
          6 その他
3 米国 (中野聡)
          1 NARA・ワシントンDC地区文書館群
          2 NARA・大統領図書館群
          3 米国議会図書館古文書部
          4 ダグラス・マッカーサー記念文書館
          5 フーバー研究所文書館
          6 ミシガン大学ベントレー歴史図書館
4 オーストラリア (永野善子)
          1 オーストラリア国立図書館
          2 オーストラリア国立公文書館
          3 オーストラリア戦争記念館

おわりに

執筆者紹介
日本のフィリピン占領略年表


本書は、複数の執筆者が書いた論文を集めて作ったという感じの本である。
ということで・・・研究者の論文調なので、ちょっと読みづらいかもしれない。
が・・・・取り上げているテーマは興味深く面白い。

たとえば、第4章の鉱山開発・・・
マンカヤン銅山は、我が町にある銅山を参考にして開発されたと聞いたことがあるので、一度、現場を見に行ってみたいと思っている銅山である。

第7章の宗教宣撫政策などは、私にとっては特に興味深かった。
日本からキリスト教の司教など“信者”が派遣されて宣撫工作をしているのである。
当時、司教などの聖職者は白人が多く、フィリピン人は差別されていたので、フィリピンのカトリック教会の司教は全員フィリピン人にしようとしたというのだから驚いた。
こうなると、日本はフィリピンを“侵略”したと言い切れるだろうか?
ヴァチカンとも交渉したというのだから、軍事行動とは全く別の次元で動いていたのである。
“白人支配からのアジアの解放”の一端を垣間見るエピソードではなかろうか?
こうなると日本は悪者という一方的に偏った考え方は、通用しないだろう。

以前、日本兵から聖書をもらったという女性が、その兵隊を探していて、今も生きているのなら会いたいと言っているので、何かわからないかという問い合わせを受けたことがある。
日本兵が聖書を持ち歩いていたというのも不思議だし、そのフィリピン女性が、その日本兵を「キャプテン」と呼んでいたのも不思議だと思った。
「キャプテン」と言えば、階級は大尉である。日本の将校が聖書なんかを持ってフィリピンに上陸するか?
いろいろ当時の資料を探しているうち、これは宣撫班の人ではないかと思ったのである。
当時、フィリピン人は誰に対しても「キャプテン!」と呼ぶ癖があったようだったことを、戦史や生還者の体験記を読んでいて気が付いた。
現在、私など日本人がフィリピンに行くと客引きから「シャチョウサン!(社長さん)」と呼ばれるのと同じであろう。(笑)
「社長」じゃなくとも、日本人を見れば「シャチョウサン!」なのだ。
当時なら、日本兵はみんな「キャプテン」だったのだろう。
彼らに「大尉」という階級が分かるわけがない。
となると・・・キリスト教関係者で宣撫班にいた人なのだろうと推測したが、そこまでしかわからなかった。
具体的な名簿が見つからなかったので、残念ながら調査はそこで行き詰まってしまったのである。
本書を読んでいて、そのことを思い出したが・・・残念ながら本書の中にも、その「キャプテン」が誰だったのかを知る手がかりはなかった。
それでも、この宗教宣撫政策のことがよくわかって面白かった。

第8章のダバオの在留邦人に関する記述も、なかなか興味深い話である。
フィリピンに住んでいる在留邦人は、日本本土の日本人からは蔑まれていた部分がある。
だからこそ、頑張って日本の為に率先して協力しなければ・・・という考えに走るのは当然だろう。
在留邦人の評価を高めたいとの思いが、悲惨な結果を生むことになるのも無理はないかも。
結構、面白い話(論文だが・・・)が読めてよかった。

なかなか勉強になるいい本である。


今年の読書:52冊目

スポンサーサイト


読書 | 01:26:01 | Comments(0)
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。