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野牛重兵衛

Author:野牛重兵衛
会社を実質的に自主廃業し『自由人』となる。
自ら『脱藩浪士』と名乗り自由な日々を生きることにした。
常陸国在住
57歳
今もって独身!(笑)
これからも独身!(大笑)

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『元帥の自決』


   菅原道之

第1章 素顔の杉山 元
       母校豊津中学時代
       日露戦争に従軍
       陸軍航空隊の創設
       相沢中佐事件と2・26事件
       陸軍三長官
       元帥府に列する

第2章 日米交渉と開戦責任
       第二次近衛内閣と仏印進駐
       日・独・伊三国同盟
       日ソ中立条約と関特演
       日米諒解案
       第三次近衛内閣
       在米日本資産の凍結
       御前会議と両総長
       近衛の開戦責任
       連絡会議に於ける開戦決定
       陸海軍合同軍事参議官会議
       ハル・ノートをめぐるナゾ
       開戦決定を覆せなかった重臣会議
       限定戦を証明する「戦争終結案」

第3章 兵站無視の自滅戦
       奇襲作戦の立案と策定
       真珠湾奇襲は失敗だった
       南方作戦と杉山参謀総長
       戦場拡大と我が潜水艦隊
       バターン死の行進
       惨敗したミッドウェー海戦
       ガダルカナルの戦闘
       南太平洋海戦の虚実
       起死回生ならず失敗した「い号作戦」
       ガダルカナルからの撤退
       ニューギニア死闘戦
       捷号一号作戦

第4章 打ちつづく玉砕戦
       インパール作戦の失敗
       アッツ島の玉砕
       大義を語る
       ビアク島の玉砕
       サイパン島の玉砕
       硫黄島の玉砕
       沖縄の血戦

第5章 元帥の自決
       繆斌和平工作
       陸海軍の統合問題と杉山陸相
       小磯内閣の退陣
       竹ヤリに託した本土決戦
       ポツダム宣言の受諾
       ならぬことはならぬ
       阿南陸相の自決
       田中軍司令官の自決
       アイケルバーガー中将との会見
       ワインで元記者を歓待
       郷土史談に終始した最後の晩餐
       失敗を許されぬ自決
       元帥につづいた啓子夫人

参考文献

あとがき


本書で取り上げられている「杉山元帥」とは、陸軍大将・元帥の「杉山 元」のことである。
「元帥(げんすい)」とは、称号で階級ではない・・・・
階級は、あくまでも陸軍最高位の陸軍大将ということになる。
その陸軍大将の中で、特に選ばれた人が「元帥」という称号をもらっている。
太平洋戦争では陸軍では3名しかいない。
その一人、杉山元帥は、陸軍大臣や陸軍参謀総長などを歴任した人。
陸軍の「重鎮」であるが、明らかに開戦の責任者でもある。

人物評とは難しいもので・・・
人によって、その評価が違う事が多い。
東條英機などは「嫌われ者」でボロクソに言われることが多いが、同じように開戦に責任のあった杉山に対しては、なぜかあまり言及する人がいない。
本書では、この杉山元を取り上げているが、必要以上に「貶す」わけでもなければ「美化」するわけでもない。
淡々と戦局の推移と杉山元の関わりなどに言及し、杉山に責任があるものは、はっきりとそのことを記している。

偉くなれば誰しもが「立場上の責任」というものを持つことになる。
これは仕方がないことなのだが・・・・
お調子者に調子を合わせたり、いかにも悠然と構えているふりをして実は何も考えていないイエスマンだったり・・・となれば、「立場上の責任」以前の問題である。
杉山に対する世間の目では、一部に「ボーッとしている」とか「グズ」とかという「切れない男」という評価があるが・・・
果たして当たっているかどうかは、なにぶん、この人に関して書かれたものが少ないのでわからない。
イメージだけが独り歩きしている可能性もないとは言えない。

杉山は「開戦」に責任を感じていたのか、それとも「敗戦」に責任を感じていたのか・・・
いずれにせよ自分なりの「けじめ」として自決された。
なかなかできることではないと思う。
杉山の自決の報を受け、ただちに夫人も後を追って自刃された。
率先して国防婦人会の先頭に立って活躍し、最後には多くの日本婦人に苦しみを与えてしまう結果を残してしまったことに対する責任から自刃されたようである。
これまた、そうそうできることではないと思う。
本書ではお二人の最後の様子について詳しく記述されている。
死ねばすべてが許されるというわけではないだろうが・・・
詭弁を弄して逃げ回り、生き延びた「指導的立場」の人達は多くいたのである。
その中で、「けじめ」をつけた、お二人は偉いと思う。

日本軍は上層部、指導的立場の人達、指揮官たちが“弛緩”していたから戦争に負けたという話もある。
たしかに、それは一理あると思う。
陸軍大臣の時、陸軍参謀総長の時、杉山が“弛緩”していなかったとは言えないような場面がある。
あの時に、もう少しシッカリしていてくれたらなぁ~と思うこともある。
が・・・人間とは、そういうものかもしれない。
今も昔も変わりはない。
大企業の管理職、役所の管理職・・・同じような“弛緩”している連中が多いのではなかろうか?
昔と違うところは、誰も責任を取って自決(自殺)しないところである。
戦後の日本人・・・かなり“劣化”したなぁという気がしてならない。

杉山元帥夫妻の爪の垢を煎じて飲んでいただきたいものである。


今年の読書:35冊目

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読書 | 09:35:36 | Comments(0)
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