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野牛重兵衛

Author:野牛重兵衛
会社を実質的に自主廃業し『自由人』となる。
自ら『脱藩浪士』と名乗り自由な日々を生きることにした。
常陸国在住
57歳
今もって独身!(笑)
これからも独身!(大笑)

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『ワラン・ヒヤ』


まえがき

第Ⅰ部 「ゲリラ討伐」におびえたパナイ島

1 パナイ島へ
     1 24時間の船旅
     2 薬作りの主婦たち
     3 日本軍のトーチカ
2 ギマラス島の虐殺
     1 夫を殺された老女
     2 マンゴーの花
     3 バランガイ・キャプテンの苦悩
     4 見せしめの殺人
3 山にいだかれた寒村
     1 手作りの記念碑
     2 橋のない集落
     3 血をあびた少女
4 荘園(アシエンダ)主一家の斬殺
     1 生き残った者
     2 中国人の荘園(アシエンダ)
     3 殺された家族の写真
5 教会は兵舎だった
     1 ゲリラの将校
     2 生きるための結婚
6 古兵(ベテラン)の涙
     1 田園の明暗
     2 日本軍のプロパガンダ
7 公開された首斬り
     1 少年ノノイの死
     2 ホープビルの宣教師たち
     3 銃弾をあびた男
8 怒りと悲しみの町
     1 サラの市場
     2 虐殺の広場
     3 日本人は悪魔だ

第Ⅱ部 戦場のマニラは地獄だった

1 日本人(ジャップ)に書いた手紙
     1 殺された弟
     2 戦火の街パコ
     3 日本軍への仕返し
     4 捨てられた老婆
     5 日本軍(ジャパニーズ)スパイ
2 教会も安全ではなかった
     1 爆破された教会
     2 野蛮で悪意に満ちた軍隊
     3 憎しみを超えて平和を
3 原爆投下は「ベリーグッド」
     1 恥知らず(ワラン・ヒヤ)
     2 日本人お断わり
     3 半殺し
     4 拷問の後遺症
     5 誇り高い男

第Ⅲ部 ラグナ湖畔の惨劇

1 ホセリサールの故郷
     1 残された女たち
     2 墓碑銘
     3 猿みたいな人間
2 U・Pロスバニオスの森
     1 学園は戦場だった
     2 焼け落ちた教会
     3 独りぼっちの人生
     4 私は決して許さない
3 凶暴になった日本軍
     1 弟は目の前で殺された
     2 防空壕の墓
     3 親の顔を思い出せないの
     4 日本軍の仕返し
4 狙われた中国人
     1 中国人墓地
     2 日本人(ハポン)を見るとむかつくの
     3 生き残った男
     4 未亡人の戦後

第Ⅳ部 血にまみれたバタンガス

1 復活祭
     1 沈黙の抗議
     2 命がけのジャンプ
     3 残された子どもたち
2 パミンタハンの惨劇
     1 妻たちの声
     2 おびき出して殺す気か
     3 殺されてたまるか
3 怒りは今も
     1 ジプニーの乗客
     2 死者の顔
     3 生き残った記念日
4 首を斬られた男
     1 俺は物乞いまでした
     2 血のような太陽
     3 消された家族
     4 見るのも嫌な日本人(ハポン)
5 血に染まった川
     1 7歳の孤児
     2 今度こそ殺される
     3 慰霊祭
       満月の夜
6 深井戸の墓地
     1 殺される前に飛び込め
     2 新婚の未亡人
     3 顎を撃たれた男
7 赤子を食った日本兵
     1 生き残りの再婚
     2 ミシンを踏み続けた未亡人
     3 女や子どもまで殺すとは
8 ダイナマイト殺人
     1 虐殺は犬殺しから
     2 谷川に捨てられた医者
     3 何も知らない日本人(ハポン)
     4 住民は爆殺された

第Ⅴ部 インファンタ住民虐殺事件

1 わずか一日の命
     1 悪路の山岳地帯を越えて
     2 遺骨にまじった手榴弾
     3 水牛(カラバオ)の肉
2 山に連れ去られた娘
     1 妹の悲鳴
     2 かあさん(ナナイ)、とうさん(タタイ)
     3 少女誘拐
3 命が軽かった時代
     1 Tシャツはゲリラの印
     2 生き残った少女
     3 夫を返して
4 日本軍(ジャパニーズ)スパイの行方
     1 許せないマカピリ
     2 日本軍は妹を人質にとった
     3 小さな小さな家
5 出血で飢えをいやした日
     1 神さま助けて
     2 キャプテン・サトウ
6 強制連行
     1 ヤシの実の浮袋
     2 サムライの傷跡
7 なぜ、ゲリラになったか
     1 ボロを握った夜
     2 最後の質問
     3 傷だらけの男
8 癒されない心
     1 行方不明の女
     2 謝罪を知らない日本人
     3 殺したわけを言ってくれ

あとがき



本書は1988年に著者がフィリピン各地で取材した日本軍の残虐行為の記録・・・ということになっている。
400ページを超す、結構ボリュームのある本だが、これを読み進めて100ページも行かないうちに気分が悪くなった。
それは、次から次へと日本軍の残虐行為が並べ立てられているから・・・というだけではない。
違和感を感じるのである。
その違和感が、私の気分を悪くしているのである。

まず、この本には写真も地図も何も載っていないのである。
日本軍の残虐行為を“証言”した現地人は、本書が発行された後、本書を手がかりに日本人が現地にやってきて証言したことを責めるのではないか、何かしらの嫌がらせをされるのではないかということで、顔写真の掲載は拒否したという。
これは、当然、ありえる話であるから、それほどの問題ではない・・・
本文中で、著者はカメラを持参して取材をしていることを明らかにしているのだが、“証言者”が連れて行ってくれたという「虐殺現場」「死体埋葬場所」「現地人の建てた犠牲者の慰霊碑」等の写真が掲載されていないのである。
“証言者”自身の写真は載せなくとも、虐殺現場跡等の写真は載せても問題はないと思うのだが・・・
虐殺現場や犠牲者の埋葬現場を示す「略図」すら載せていない。
これが、最初の“違和感”・・・・

“証言者”は、顔写真は載せないが、氏名はフルネームで掲載されている。
「(仮名)」と但し書きがあるならわかるが、この但し書きはない。
これは実名なのだろうか?
実名を掲載されたら、それを手がかりに本書に反発した日本人が捜しに来るとは“証言者”は考えなかったのだろうか?
これが二番目の“違和感”である。

こうなると、ある予想が成り立つ・・・
この本は、あとから「検証」されないように巧に書かれているのではなかろうか?・・・・ということである。
“証拠”となる写真もなければ略図もない・・・
文字だけである。
もしかしたら、こういうことかもしれない・・・
誰かから“突っ込み”を入れられた時に、「これはノンフィクションではなく、事実に基づいた“小説”です」と答えるためなのではなかろうか?
「小説」ならば、創作が混じっていても問題はない・・・
絵や写真や図表の入っている“小説”というのは、ないだろう・・・・小説は“文字だけ”である。
「この本は文字だけなのだから、“小説”だということには気がつくでしょ?気がつかないあなたが悪い」という“逃げ道”を作っているのではあるまいか?

著者の経歴も曖昧・・・・ただ「海軍出身」としか述べられていない。
部隊名も何もない・・・陸上勤務だったのか海軍航空隊所属だったのか、戦地に行ったことがあるのかどうかも書かれていない。
ということは・・・
「ある元海軍軍人が戦後にフィリピンに行き、戦時中の日本軍の悪行の数々を暴くために現地人にインタビューをしながら旅をするというルポルタージュの形態を取った“小説”である」と言い逃れが出来る。
だから写真も図表も何も載せていないんですよ・・・と・・・

決定的に、「怪しい」と思ったのは、本書の中に書かれている、ある一文を読んだときの事である。
これはマニラのサンチャゴ要塞内にある、日本軍の残虐行為で犠牲になった方々の慰霊碑の碑文・・・
日本軍が牢獄として使用していた地下牢のすぐ近くにある十字架の形をした慰霊碑である。

著者は、この十字架の台座にある碑文を以下のように掲載している。
英文の碑文の和訳である。
「この十字架は、1945年2月、(日本軍占領)の最後の頃に、残虐行為の犠牲になった約六百人のフィリピン人とアメリカ人たちの永遠の休息の場を明らかにしたものである。彼等の遺体は、木材に鉄板をはった外側のドアとどっしりした鉄棒の内側のドアとの間に、まるで“こやし”のようになっていた。餓死したものと思われる。」

私は、この慰霊碑には何度も訪れているので、この英文で書かれた碑文は読んだことがあるが・・・
著者の書いた碑文の中の「まるで“こやし”のようになっていた。」の部分が見当たらないのである!
私が撮影した写真を参考までに掲載する

410_convert_20160506161340.jpg 412_convert_20160506161612.jpg

碑文は、著者が“取材”したときと変わっていないと思う。(かなり古いから・・・)
私は英語が苦手だが、碑文を読んで「まるで~のような」を意味する英文は刻まれていないことぐらいはわかる。
「こやし」に当たる英単語も見つからない。
他の部分は、碑文どおりなのだが・・・この部分だけおかしいのである。
一つだけ意味の分からない単語があった。
いくら辞書で調べても見つからない英単語・・・・「SUEFOCATION」という単語である。
この単語が「こやし」という意味かと思ったのだが、辞書にも載っていない英単語のわけがない。
これは、もしかしたら誤字ではあるまいか?
「SUEFOCATION]ではなく、「SUFFOCATION」なら意味は「窒息」である。
これなら意味が通じるのではないか?
そうだと仮定して碑文の英文を訳せば「窒息と餓死と思われる」ということになるのである。
「まるで“こやし”のようになっていた」の文にはならない・・・

これに気がついた瞬間・・・益々気分が悪くなった・・・
現地にある「碑文」に勝手に別の文章を入れ込んでしまうという行為・・・・
こういう行為は許されるのだろうか?
これは著者が日本軍の残虐性を誇張する為に“創作”した「碑文」である。
英単語の和訳のミスというような範囲を超えた碑文の“改ざん”であろう。

一つの嘘ですべてがパーである。
この一件で、本書の“価値”は下がったといえる。
果たして現地人たちが“証言”している内容も、本当かどうか分かったものではない。
(・・・・ということになる)
私は日本軍が残虐な行為をしなかったとは言わない。
とうぜん、そういうこともあっただろう・・・
が・・・だからといって、必要以上の“誇張”をしていいかどうか・・・・

これが“小説”なら話は別だが、著者は「これは事実に基づいた小説です」とは言っていない。

いずれにせよ、本書には“嘘”や“偽”や“誇張”や“創作”が、うまく散りばめられていると思って良さそうである。
あくまでも事実に基づいて書かれた“小説”であって、間違っても「ルポルタージュ」ではない・・・
本書に書かれていることのすべてが“真実”や“事実”ではない・・・・
どうしても読むのなら(苦笑)、そう思って読んだほうが良いと思った。

ノンフィクション、ルポルタージュであると思って読み進めていたので、非常に気分の悪い思いをした。

事実に“嘘”や“創作”、“誇張”を織り交ぜて、“ある方向”へ誘導するという手法は、よく左翼の物書きがやる手法ではなかろうか?
そう思った瞬間・・・・がっかり・・・
私にとっては近年まれに見る最悪の本だった。


今年の読書:2冊目

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読書 | 22:48:16 | Comments(0)
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