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■プロフィール

野牛重兵衛

Author:野牛重兵衛
会社を実質的に自主廃業し『自由人』となる。
自ら『脱藩浪士』と名乗り自由な日々を生きることにした。
常陸国在住
60歳・・・還暦である。
今もって独身!(笑)
これからも独身!(大笑)
今さら、もう無理!(大笑)

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東部ニューギニア戦線
東部ニューギニア戦線―棄てられた部隊東部ニューギニア戦線―棄てられた部隊
(1992/09)
尾川 正二

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序章 出発

第1章 原生林ーウエワク
光彩

飛行場
自然人
人為の空間
ニューギニア戦の「型」

第2章 ニューギニア作戦の意図
第一段階
第二段階 前期
第二段階 後期

第3章 マダン行
行路
文明と自然

第4章 ゴム樹海ーマダン

第5章 歓喜嶺

第6章 フィンシハーフェンの会戦
逆上陸
軍隊の「倫理」
逆上陸作戦の齟齬
激突
壕の「生活」
狂気

第7章 転進
生命の灯
曙の来ない「夜」
原自然
重い空間
「ほろび」の影
生命の「根」
掠奪
「骨」の意志
友情

第8章 アイタペ作戦
帰鳥―ハンサ
「ほろび」への道
インド兵
アイタペ会戦
「作戦」の意図

第9章 原住民とともに
無明
「自然」への回帰―ヌンバフ(ヌンボク)
山南の村―パンゲンブ
裸族

第10章 玉砕路
挺身攻撃隊
ピアビエ・ハウス
安楽死
「死」の舞踏

第11章 終戦
横と縦
秘境
玉砕絵図
終止符
配所の月―ムッシュ島
祖国へ
ヒューマニズムの限界
大酋長の運命
軍司令官の遺書
余波

著者は第20師団歩兵第79連隊の元兵士・・・・
その戦争体験談だが、第1回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した「作家」の書いたものだけに、なかなかのものである。
私もニューギニアに行って現地を見ているが、その観察眼、表現力はさすがだなぁと感心する。
ニューギニア戦線も他の戦線同様悲惨な戦いを強いられた戦線である。
投入された約16万人の日本兵のうち生還できたのは約1万人である。
南方での戦場は自然との戦いでもあり、人間として理性との戦いでもあった。
戦場は狂気の世界である。
こういっては著者に失礼かもしれないが・・・
「あとがき」が珠玉である。
『「戦争は悪」といった抽象論からは、何も生まれてこない。悪に学ぶことがなければ、実感として戦争は捕えられるはずがない』
『未だに戦争は終わっていない遺族のかたは多い。いい加減な証言による本や映画によって、傷つけられる、悩ませられることは、耐えがたいことであろう。いわゆるヤラセによる放映もある』
本書が世に出たのは1992年であるから、今から18年前・・・
すでにいい加減な証言に基づく本や番組などが世に蔓延していたようである。
『個の特殊な体験を一般化することはできない』
一人のまたは一部の日本兵が行った悪事をもってすべての日本兵が悪者と決めつけるような風潮を指しているのだろう。
その通りだと私も思う。
『最後まで這いずり回り、ぼろぼろになるまで戦いつづけた者にとって、「ありえない」と思われる記述に戸惑わされる』
『<自分は、こんな恥かしい、非人間的なことをやった>と告白するのは、それなりに一つの証言たりうる。<だから、みんなもやったはずだ。ニューギニアの戦記を読んでみても、みな、その肝心なところをぼかしている>と言われると、平静でおれなくなる。自分はやった、だから、みんなもやったはずだ、とどうして言えるか』
こういう風潮は今も続いている。
以前、NHKのディレクターと喧嘩したことがあるが、こういう感覚でセンセーショナルな番組を作り放映したためだ。
“異常な行為”を実際にやった人間を番組に登場させず、「証言」として、他の人もみんな同じようなことをしたに違いない・・・と決めつけたから頭に来た。
このディレクターは全く反省していない。
おかげでどれだけの人が傷ついたか・・・・
こういう番組に仕立て上げないと企画会議で承認されないからと平然としていたのには呆れた。
若い女性のディレクターである・・・・
今でも思い出すとはらわたが煮えくりかえってくる。

こういう現状をよくご存じの筆者が書いたのであるから・・・「良書」である。
戦記に苦手な人は「あとがき」だけでも読んでもらいたいくらいである。
戦記物の初心者は、「あとがき」を読んでから本文を読んだ方がいいかもしれない。
読者には「貴重な証言」という「いいかげんな証言」の戦記物や証言集を見破る力も身につけてもらいたいものだ。
本書はお勧めの「良書」である。



今年の読書:11冊目

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読書 | 11:16:37 | Comments(0)
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