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野牛重兵衛

Author:野牛重兵衛
会社を実質的に自主廃業し『自由人』となる。
自ら『脱藩浪士』と名乗り自由な日々を生きることにした。
常陸国在住
60歳・・・還暦である。
今もって独身!(笑)
これからも独身!(大笑)
今さら、もう無理!(大笑)

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語られざる特攻基地・串良
語られざる特攻基地・串良―生還した「特攻」隊員の告白 (文春文庫)語られざる特攻基地・串良―生還した「特攻」隊員の告白 (文春文庫)
(2006/08)
桑原 敬一

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題名を見て、串良の特攻基地に関して詳しく書かれた本なのかと思ったら、そうじゃなかった。
生還した特攻隊員の体験記である。
そのため、「特攻」というものに関しては書かれているが、串良基地に関しては、ほとんど書かれていない。
これは筆者の「自分史」なのだ。
特異な点は、筆者が「特攻出撃者」の生き残りであるという点である。
「元特攻隊員」という肩書を持つ人がいるが、その実は特攻隊員として選ばれたが、出撃をしていない人だったりする。
そういう人たちが「特攻」を語るのを良しとしない。
御本人は正真正銘の「特攻隊員」だからである。
特攻隊員に選ばれた時のショック・・・・・正直言って悲惨である。
出撃までの待機の日々は苦痛そのもの。
蛇の生殺し・・・・に近い・・・・

実情は悲惨そのものである。
特攻隊員の選抜では希望しない者は白紙を投じろと指示される。
で・・・現実に白紙を投じたものがかなりいたにもかかわらず、指揮官は「ありがとう!白紙で投じたものは一人もいなかった!」と言って、全員を「特攻隊員を熱望」としてしまう。
で・・・「諸君だけを見殺しにはしない。本官も後から征くであろう」と言いながら、戦後も生き続けるのである。
こうなると、指揮官は卑劣であり、選ばれたものは悲惨である。
愛国の情に燃えて自ら志願して死んでいった・・・・なんて一律に言われたんじゃ浮かばれまい。

ベテランパイロットは温存され、操縦未熟な者が特攻隊員として体当たりを命じられる。
行かされるほうは納得できまい。

戦後、体験談を正直に話すと「死ぬのが怖かったとは何事か!」と“戦友”から罵声を浴びせられたという。
さて・・・罵声を浴びせた“戦友”は、果たして死の直前まで自分の身を置いた経験がある人なのだろうか・・・・
似たような経験は私にもある。
ある戦争経験者の連中が「俺は戦争に行ったんだ!」と勇ましいことを言い、何人もの“将軍”の名を挙げボロクソにこきおろしていた。
よく話を聞いてみると、彼らは本土決戦に備えて内地で訓練をしていたにすぎない。
とても「戦争に行った」などと偉そうな口をきける立場ではない。
最前線にも行かず、弾の下も潜らず、戦友の血も浴びていない。
筆者に罵声を浴びせた“戦友”も同類か?
ふと・・・・そんなことを思ったりした・・・・・

世の中には本音と建前とがある。
本音だけでもまずかろう・・・・・
本音を知った上で建前を聞く・・・・そういうことが大切ではなかろうか?
そういう意味では、本書は特攻隊員の本音を知る好著である。

が・・・・
本当のことは誰もわかるわけがない。
本当の「特攻隊員」は死んでしまっているのだから・・・・
彼らは体当たりする直前の心情を語ることはできない・・・・
しかし、その直前に身を置いた人の本音は、戦死した彼らの心情に近いものを語っているのではなかろうか。



今年の読書:21冊目

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読書 | 10:56:17 | Comments(0)
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