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■プロフィール

野牛重兵衛

Author:野牛重兵衛
会社を実質的に自主廃業し『自由人』となる。
自ら『脱藩浪士』と名乗り自由な日々を生きることにした。
常陸国在住
60歳・・・還暦である。
今もって独身!(笑)
これからも独身!(大笑)
今さら、もう無理!(大笑)

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親父、逝く・・・
今日・・・1月25日の夜・・・
ついに親父が逝ってしまった・・・
満89歳・・・・
あと半年頑張って生きてくれたら満90歳を迎えることが出来たのだが・・・

先週から衰弱が激しくなり、体温も38.6度・・・
どうも肺炎を起こしている様子だが、はっきりしない。
タンが絡んでゴロゴロと喉を鳴らしている。
呼吸も荒くなったり浅くなったり・・・
こりゃ、マズイかなと思った。

甥っ子が親父の部屋で監視を兼ねながら勉強・・・
夕食時に「おじいちゃんがトイレに行くって言って言うことをきかない!」と拙者を呼びに来た。
様子を見に行ったら、いつものようにトイレに行こうとしてベッドから起き上がろうとしている。
が・・・かなり衰弱していて起き上がることが出来ず、ベッドの上でもがいていた。
排便は“おむつ”の中にしてくれていいのだが、親父はどうしてもそれが嫌なようだ。
無意識に漏れてしまったものは仕方がないが、意識して“おむつ”に排便をしたがらない。

なだめすかしているうちに、ようやく大人しくなった。
我々が夕食を食べる前に親父に水を飲ませてやろうと思い、スプーンで少しづつ水を口に運んだ。
今朝は体温も平熱に下がり、呼吸も安定して、回復の兆しが見えていたので・・・
タンを吸引機で取り除きながら、楽になったところで甥っ子が水を与えた。
最初は親父もスプーンから水をすすっていたが・・・
そのうちすぐにタンが絡まりゴロゴロと喉を鳴らし始めたので再び吸引・・・
この繰り返しをしている時に、ふと異常に気が付いた・・・
あれ?瞬きをしていない!(汗)
いつの間にか目を開けたままなのである!
人間って、こんなに瞬きをしないでいられるものだろうか?(大汗)
水をすすっている時に、親父の弱っていた心臓がパタリと止まったのだと思う。
あらら・・・・あっけない最期だった・・・・

甥っ子は医学部に通う大学生・・・
それっ!とばかりに心肺蘇生に取りかかった。
拙者は夕食を準備中の妹を大声で呼ぶ。

「隣の会社に行ってAED(自動体外式除細動器)を借りてきてくれ!」と甥っ子が叫ぶ。
田舎の中小企業に、そんなものが備わっているわけがない・・・(汗)
行っても無駄だと言っても、こうなると誰も言うことを聞かない・・・
パニックを起こした妹が家を飛び出し隣りの会社の夜勤社員に助けを求めに行った。

拙者は延命措置は行わないということで主治医と打ち合わせ済み・・・
その方針で親父の面倒を見ていたし、そのことは彼らにも話しておいた。
以前から「いつ心臓が止まってもおかしくない状態」と言われていたので拙者は覚悟していたが・・・・
身内は、いざというとパニックを起こすものである。
必死に心肺蘇生をしている甥っ子に「やめろ!」とは言えない・・・
親父も苦しそうな顔をしていないし・・・
このまま気が済むまでやらせようと思った・・・
「おじちゃん!何分経った?」と甥っ子・・・
「約15分!」
「ダメかな?いや、まだ何とかなる!」と甥っ子も必死である。

まもなく救急車のサイレンが・・・(唖然)
妹の動転している様子を見て、こりゃ一大事と、隣りの会社の社員が親切にも救急車を呼んでしまったのである!(大汗)
延命措置はしないと決めている以上、救急車を呼んではいけないと何度も妹には話しておいたのだが・・・
自宅で息を引き取った場合、警察が入って何時間も拘束されてしまうと聞いていたので、それだけは避けたい。
念のため「不審死」ということで疑わざるを得ないのだろうが・・・・いい迷惑である。
というわけで・・・甥っ子が心肺蘇生中に拙者はいつもの訪問看護師に電話をして主治医に連絡してくれるよう頼んでおいた。
が・・・・あ~なんたることぞ!
主治医が到着する前に消防署の救急車に続いて、総合病院の救急車も到着し、医者までやって来た!
救急車が2台も来てしまったのである!(涙)
ただちに消防の救急隊員が心肺蘇生に取りかかった。
マズイんだよなぁ~これ・・・
まもなく主治医が看護師と一緒に到着。
ここで三者が入り乱れる。
総合病院から来た医者たちは、こちらの主治医とは同じ系列の病院の医者なので事情を話して引き取ってもらったが・・・
消防署の救急隊員は、一度出動した以上、そう簡単に引き下がるわけにはいかないという。
警察にも連絡を・・・という言葉も出た・・・やっぱりね・・・(汗)
これがあるから救急車は呼ぶなと言っていたのに・・・(涙)
いざとなったら「何で救急車を呼んじゃダメなの!」と妹に噛みつかれた・・・
あ~あ~・・・・何度も話しておいたのに、結局はこれだ・・・

拙者はずっと親父の面倒を見ていたこともあるし、そもそも親父のことが好きじゃなかったからなのだろう。
意外にも冷静に、静かに逝かせてやれば・・・という思い・・・
妹は何とか息を吹き返して助かってほしいという思いで大パニック・・・
甥っ子は、おじいちゃんを助けられなかったということなのだろう、ショックで呆然としていた。

主治医と救急隊員の間で話し合ってもらい、ようやく帰ってもらう。
本当に申し訳ない・・・こちらはとにかくペコペコと救急隊員に謝るしかない・・・

主治医が死亡宣告・・・・午後8時6分・・・
実際に心臓が止まったのは午後7時半になるかどうかという時刻だったと思う。

主治医に救急車を呼んでしまったことを謝る・・・
主治医からは「仕方がないですよ。いざとなると、こういうことが起こるのは普通ですから。それより今日か明日には心臓が止まる可能性があると、ハッキリ伝えておけばよかった。申し訳ない」と謝られた。
やっぱりね・・・という感想・・・
一瞬、回復の兆しが見えたのは、このまま回復するのか、それとも、これは“最後の輝き”で、このあと一気に体調が悪化して逝ってしまうのではないか・・・と思っていたのである。
やっぱり“最後の輝き”だったか・・・
どうせなら最後の最後に、拙者が子供のころからの拙者に対する数々の仕打ちを謝罪してから逝ってもらいたかった・・・

期せずして孫に“末期の水”を飲ませてもらい、心肺蘇生にマウスツーマウスの人工呼吸まで孫にしてもらい、孫に最期を看取ってもらった親父は幸せ者である。
こんな幸せな死に方ってあるだろうか?
甥っ子にとってもいい経験になっただろう。
心肺蘇生を途中で止めさせなくて良かったと思う。
親父は自分の事しか考えないという自己中で、他人の心を傷つけても平然としている男だったが、最後の最後に孫のために“献体”したような形となった・・・
“終わりよければ全て良し”・・・ということか。
孫のためにいい経験をさせてやったな・・・これについてだけは親父を褒めてやりたいと思う・・・
この経験が、甥っ子が将来、医者になったときには大いに参考になるだろう。
医者になってから初めて人の死に直面するより、学生のうちに体験しておいた方がいいだろうから・・・

医者と看護師の手を借りて親父の体を清め・・・
妹が結納の時に親父が着たスーツを亡骸に着させる。
主治医に死亡診断書をその場で書いてもらい、これで終わり・・・・
10年前に母が亡くなった時は病院だったが、今回は予定通りの自宅での看取り・・・
自宅で看取るということはこういう感じになるのか・・・・と思ったが・・・
想像していた「静かな看取り」ではなかったが・・・拙者としては、やっぱり自宅での看取りでよかったな・・・と思う。

ここから先は葬儀社の仕事・・・
葬儀社に電話をして社長に来てもらう。
この葬儀社の初代社長と親父の父親(つまり拙者の祖父)とは師弟関係・・・
祖父が教員をしていた時の教え子が、この葬儀社の初代である。
そういうこともあって、ここに頼むことは以前から決めていた。
簡単にこれからのことについて打ち合わせと確認をする。

夕食が遅くなったが・・・・
食べねば体がもたなくなる。
拙者は悲しむ暇などない・・・
これからの手順に漏れがないかどうか・・・そっちで頭が一杯である。
案外いざとなったら気が動転するのではないかと思っていたが、妹と甥っ子がいてくれたおかげで助かった。
もし一人で看取っていたら、どうなっていたか・・・
今以上、気が動転して何もできなかったかもしれない。

親戚などに親父が息を引き取ったことを電話する・・・・

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日記 | 10:49:41 | Comments(1)