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野牛重兵衛

Author:野牛重兵衛
会社を実質的に自主廃業し『自由人』となる。
自ら『脱藩浪士』と名乗り自由な日々を生きることにした。
常陸国在住
60歳・・・還暦である。
今もって独身!(笑)
これからも独身!(大笑)
今さら、もう無理!(大笑)

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『蒼海に消ゆ』
蒼海に消ゆ 祖国アメリカへ特攻した海軍少尉「松藤大治」の生涯蒼海に消ゆ 祖国アメリカへ特攻した海軍少尉「松藤大治」の生涯
(2011/04/26)
門田 隆将

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はじめに

プロローグ

第1章 カリフォルニア州サクラメント
     新天地を目指して
     生まれ出た剣士
     日本人コミュニティ
     遊びまわる子供たち
     裏道で遊ぶ兄弟
     アメリカの強大さ

第2章 剣士の誕生
     やって来た剣道の師
     天性の反射神経
     ボーイスカウト活動
     襲ってきた大恐慌
     日系二世の苦難
     帰国の決断
     うねりの中へ漕ぎだした少年

第3章 現れた転校生
     異国から来た剣士
     猛稽古の中で
     両親への思慕

第4章 戦時下の日本
     軍事教練の日々
     尊ばれる「質実剛健」の気風
     見聞を広げた修学旅行

第5章 束の間の幸せ
     やって来た母と弟
     「学問」はできているのか
     親友に救われた苦悩

第6章 別れのトランペット
     堀校長の意外な要望
     悲願の商大予科合格
     涙の中の吹奏
     跡目争いと個人優勝

第7章 始まった東京生活
     武蔵野の大自然
     “ストーム”という洗礼
     目を見張る実力
     「昭和の武蔵」の指導

第8章 迫りくる戦火の足音
     漂い始めた暗雲
     途絶えたアメリカからの仕送り
     再会した恩師
     圧迫される学生生活
     糸島での束の間の休息

第9章 学徒出陣
     北海道・千歳の原野
     学徒出陣前夜
     雨にけぶる神宮外苑競技場
     「祖国」とは「家族」
     出征の日

第10章 猛訓練の日々
     佐世保・相浦海兵団
     土浦航空隊と出水航空隊

第11章 元山航空隊
     やって来た元山
     集まった猛者たち
     博打と酒と・・・・
     元山での束の間の休暇
     「神風特攻」の開始
     ついに出た殉職者

第12章 特攻出撃
     突然の「特攻」指名
     優れていた松藤の技量
     隠しがたい心の葛藤
     さらば元山
     頬を伝った涙

第13章 敵部隊見ゆ
     故郷へ告げた別れ
     爆撃痕だらけの鹿屋基地
     最後の晩餐
     稲荷ずしを一口食べて
     「敵艦ニ必中突入中」

第14章 生きていた戦友の姿
     「病室に現われた大治」
     ありし日の松藤の姿

エピローグ

おわりに



本書の主人公は、アメリカで生まれ育った日系二世の松藤大治(まつふじ・おおじ)という人物である。
両親ともに日本人なので、ハーフという訳ではない・・・
アメリカで生まれ、15歳までアメリカで生活していたのだから彼は日系二世とはいえ「アメリカ人」である。
その彼は単身、両親の祖国である「日本」にやってきて、両親のふるさとの中学校に通い、東京商科大学に通う。
彼を「日本」に向かわせたのは何だったのか?
日本に対する憧れなのか、日本人の血が流れているというプライドなのか・・・・
慣れない日本での生活は大変だったのではあるまいか?
そして、日米開戦・・・・
彼は海軍に入り零戦のパイロットとなった。
日本と米国との懸け橋となる外交官になることが夢だったそうだが・・・・
その彼は母国・アメリカと戦う道を選んだのである。
学業は優秀、文武両道・・・まさしく“武士”の風格を備えた松藤は、そんじょそこらの日本人より日本人らしい。
そして、昭和20年4月6日、沖縄へ特攻・・・・23歳でこの世を去った・・・・

著者は、この松藤の足跡を丹念に辿り、関係者にインタビューをしている。
こういうところがノンフィクション作家のすごいところだと、いつも感心させられる。
驚いたことに、米国籍の松藤には兵役の義務はなかったのだそうだ。
にもかかわらず、なぜ、日本海軍に志願し、よりによって特攻隊にも志願したのだろうか?
沖縄戦の頃は、もう誰もが日本が負けることは、薄々気が付いていたころではないか?
にもかかわらず・・・なぜ特攻に志願したのか?
それを許可した上官は、どういう思いだったのだろう?
「米国人」の松藤は、当然、英語が堪能である。
戦後のことを考えれば、こういう有用な人物を温存しようとは思わなかったのだろうか?
まさか、姿かたちは日本人でも米国籍だから、いっそ嫌がらせ半分、米艦隊にぶつけてやれ・・・と思ったわけではあるまい?

松藤は「日本は戦争に負ける。でも、俺は日本の後輩のために死ぬんだ」と言ったという。
その後輩・・・・ちゃんと、その思いを受け止めているだろうか?
特攻は悲惨だ、あれはキチガイだという輩がいる・・・
可哀想だ・・・という人もいる。
彼ら戦没者に対して、同情心だけでいいのだろうか?
彼らのメッセージを受け止めて、襟を正して生きるのが、彼らに対する供養ではなかろうか?
「かわいそうな人」という扱いだけで終わってしまっては、まさしくかれらを「犬死」させることになるのではなかろうか?
常々、特攻で亡くなった方々、戦争で亡くなった方々を思うとき、そう感じるのである。

変った経歴の特攻隊員がいたんだねぇ~・・・・で終わっては困る。
“後輩”である我々は、彼の気持ちを汲んでやらねば・・・・と思うのである。


今年の読書:35冊目



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読書 | 01:29:28 | Comments(0)