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野牛重兵衛

Author:野牛重兵衛
会社を実質的に自主廃業し『自由人』となる。
自ら『脱藩浪士』と名乗り自由な日々を生きることにした。
常陸国在住
59歳
今もって独身!(笑)
これからも独身!(大笑)

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一中尉の東南アジア軍政日記
一中尉の東南アジア軍政日記一中尉の東南アジア軍政日記
(1998/08)
榊原 政春

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開戦間際に南方軍総司令部付になった筆者が、昭和16年11月に仏印サイゴンへ出発するところから、昭和18年5月にビルマ戦線視察を終えて帰国するまでの期間に書いた日記である。
個人の日記なので、大したことはないかと思ったら、さにあらず。
後日、公開しようという考えで書いた日記ではないせいか、ありのままの気持ちで書き記されているから、当時の様子を知るには貴重な日記と言える。
日記というと、個人的な出来事ばかりというのが普通だろうが、この日記は、日本占領下の東南アジアの様子、実態、占領政策に対する見解、将来の予測、政策提言など、著者の見識の高さがよくわかる。
「大東亜共栄圏」がどういうものかを知る上でも貴重な記録である。
しかも、家柄のおかげか、寺内寿一大将をはじめとする南方軍首脳との交流による情報も盛り込まれている。
そういう意味では、単なる“中尉”という下級指揮官の記録とは全く違う。

本書を読んでみて分かった事は、当時も今も変わっていない!(笑)
たとえば・・・中国人・・・
そのしたたかさ、恥知らず、小狡さは今も昔も変わっていない。
この中国人にはかなり警鐘を鳴らしている。
「余り御人好しは彼等に喰われる事を忘るなかれ」と・・・・
昔から中国人はこういう奴らだったんだ・・・と思い知らされる。
まるで70年後の今を予言しているが如く・・・である。
現在、猫も杓子も中国になびいているが・・・過去の歴史を知るべきだろう。

また、官僚・・・・これも今も昔も変わっていない。
占領地へ派遣される軍政官。
日本では使い物にならない連中が多い。
単なる名誉職、肩書欲しさにゾロゾロと占領地にやってくる。
で・・・何もしない・・・・「役得」を追うのみ・・・・
この輩に著者はかなり腹を立てている。
今でいう「天下り」そのものである。
今も昔も変わっていない。
これでは「大東亜共栄圏」の確立は無理である。
理想は高く正しいが・・・実態は正反対・・・か?
「日本軍」という軍人だけに問題があったのではない。
占領地に「天下り」する民間人にも問題があったと私は思う。
どうすれば占領政策がうまくいくか・・・それは若くてやる気のあるエネルギッシュな担当者を派遣しなければ無理なのである。
占領地の民衆とうまくやっていけなければ、この戦いは失敗に終わる。
その政策提言なども述べている。
見識高さは、“中尉”などという階級の人とは思えない。
こういう人が、国家の指導者的立場にいたら・・・とついつい思ってしまう。

本書は、別の角度から太平洋戦争を見るには素晴らしい本である。
「戦史」だけではわからない・・・そういうものがたくさん含まれている。
勉強になる。

南方へ 昭和16年11月~12月
(仏印で迎えた開戦の日)
(日本人と安南人)
(大東亜戦争は資源獲得を根本とする)

彼等に正しき生存権を 昭和17年1月
(支那事変とのちがい)
(香港陥落の状況)
(南洋の宝庫を目指して)
(日仏将校の懇親会)
この時期にフランス軍と交流を持っていたとは驚きである。
(シクロの研究)
(企画性に欠ける日本の政策)
今も昔も変わらない・・・・か。

シンガポール陥落の日を楽しみに 昭和17年2月
(インド民族の叫び)
(素朴な農民の力)
(徴用者の扱いについて)
「その人に要求する仕事・任務は何であるかを前提に適任者を選定すべきだ。外国語学校を出ているから、外国語が出来るだろうと云っても間違いだ。学校卒業後、10年も20年も外国語に縁のない仕事をしていた人よりも、現在外国語にタッチしている人の方が遥かに目的に合致する」・・・まさしくその通り!実際はそうじゃなかったことがわかる。
(シンガポール無条件降伏)
(哀れな蘭印人)
(サイゴン郊外で憩う)
(大東亜戦争の第二段階)

華僑問題はすこぶる重要 昭和17年3月
(ジャワ島上陸成功)
(節句に妻子の安否を思う)
(軍政部への異動)
(久しぶりの書類に苦戦)
(陸軍中尉に昇進の日)
(大東亜建設の着眼点)
(ジャンクの活用について)
(タイ、仏印の今後)
(過剰物資対策)
(鉄を内地に)
(南洋労働者を活用せよ)
「南洋各地に日本の労働者を進出せしめ作業せしめることは、内地労働者の不足、南洋に於ける人種的低下の現象等より考えるも不可なり。南洋労働者を十二分に使用し、日本人はその事業の大綱を把握し、日本を中心とした経済機構の中に織り込んで行く事が大切である。何から何までしなければ済まぬと云う島国根性は、この際断固捨てねばならぬ」
(人種問題について)
(南洋工業化案)
(綿の増産について)
(南洋木材の有効利用)
(棉作奨励に際しての留意点)
(対ソ対策)
(仏印のフランス人を利用せよ)
(捕虜による南方開発)
(中小工業者の南洋進出に反対)

頭の中には大東亜共栄圏の地図が 昭和17年4月
(海軍飛行機の優秀性)
(スマトラの軍票問題)
(駐屯に際しての留意点)
(鉄道幹線の建設を)
(支配階級の南方進出を求む)
「内地より小学校卒業のボーイが配当されたが、これら少年の南方進出について、よくよく慎重を要す。ボーイの如きは現地の土人を使用すれば良い。(略)またこれら少年が内地を出発した時の気持ちを想像すると、遥か仏印までやって来てボーイ等をしていると云う事は教育上も重大問題だ。内地教育家の反省を促す」
(インド情勢逼迫)
(林産資源の開発)
(力なきものは滅ぶ)
(技術者に便宜を図れ)
(反省が必要な日本企業)
「今日、三井のための三井、三菱のための三菱と云うものは有り得ない。すべては国家のためにのみ存在する。(略)三井、三菱の今日の行き方には多少の相違がある。しかし両者とも未だ国家的観念にはすこぶる遠く、中小商業者同様単なる利権屋に過ぎぬところがある」・・・だから戦争に負けるんだよねぇ~
(将来有望なスマトラ)
(決断が必要な華僑問題)
(東京空襲に思う)
「(略)日本の政治はどこまでも責任政治だ。総理大臣の日本ではない。(略)この歴史的一大事に対し、今日の施政者は果たして如何なる責任をとったか。発展して行く日本のため、寒心にたえないのはこの点である」・・・今も変わらぬ・・・
(南方における事業形態)
(南方ゴム園経営)
(メコン川一帯の米作り)
(高松宮妃殿下からの手紙)
(南方の金融問題)
(支那人労働者の処遇)
(英人捕虜、ハノイへ)
「(略)彼等を今度河内へ送る。鉄道輸送司令部は彼等のためにパンを用意している。今日、大東亜戦下、日本人の食料さえ自由でないのに、彼等にパンを与える必要の如きは毛頭ない。彼等が生きていけるだけのものをやれば十分だ。(略)」・・・過激といえば過激な発言だが、当時としては正直な気持ちだろう。しかし、パンまで用意して捕虜を手厚く待遇しようとしていたことは貴重な証言である。
(NBCが伝える東京空襲)

台湾・フィリピン視察 昭和17年5月
(原始的な海運)
(石炭の増産について)
(前田中将とボルネオ談義)
(ビルマ独立の是非)
(果物の研究)
(精米所見学)
(ゴム園見学)
(仏領ニューカレドニアは過去の夢)
(物動会議開催)
(大東亜の建設は日本から)
(船舶の重要性)
(海中から出てきたジャンク)
(台湾へ)
(台湾は天国)
(台湾工業化のためには)
(フィリピンへ)
(フィリピンの物質的民主主義)
(コレヒドール要塞見学)
(ダバオへ)
(麻園見学)
(真の敵は南方ではない)
(フィリピン、ビルマを比較して)
(フィリピン施政の要諦)
大洋丸、撃沈さる)
(企業者の進出にあたって)

ジャワ視察 昭和17年6月
(南洋は古官吏の隠居所ではない)
(甘やかし政策はとれない日本)
(南方の教育問題)
(タイの敵産処理)
(南方工業化に際しての留意点)
(オランダ式ジャワ統治への危惧)
(ビルマにおけるインド人問題)
(占領地での敵国人の処遇)
(ボルネオの食料増産運動)
(適正価格決定に際しての留意点)
(木造船建造にあたって)
(南方交通の主役は船)
(燃料問題は最重要)
(搾取以外に手段はない)
(軍官民の協力体制)
(学ぶべきオランダの植民政策)
(同情で南方政策はできない)
(兵站基地としての仏印)
(ジャワへ)
(ジャワはやはり南洋一)
(小学校見学)
(バンドンへ)
(キナ工場、キナ園見学)
“キナ”とはマラリアの特効薬“キニーネ”のことである。
(田舎も道がいいジャワ)
(ジョグジャからソロへ)
(蘭印の景色の良さ)
(煙草、ロゼン麻、タピオカ工場見学)
(破壊されたスラバヤの港)

島国根性の強い日本人 昭和17年7月
(糖業対策の確立を)
(無為に食わせるべからず)
(ボロブドゥールを見る)
(エアコン列車での移動)
(博物館見学)
(一元的軍政の実施を切望す)
(失業者対策)
(蘭印総督の信念)
(シンガポールへ)
(復仇の色の漂う町)
(チャイナ・タウンを歩く)
(支那人と日本人は相容れない)
(軍政要員の充実を喜ぶ)
(軍政総監督部の編制について)
(スマトラ開発にオランダ人を)
(民間業者の活用)
(占領地での日本語普及策)
(南方進出官吏に望む)
(南方農業の要諦)
(将来の国防の中心は航空にあり)
(占領地の帰属)
(南方一様の尺度はあり得ない)
(長期建設を覚悟せよ)
(調査研究機関の充実を)
(最も重要なのは日本人の教育)
(有能な人材を確保するためには)
(統治区域の変更は慎重に)
(スマトラ大農園主義の必然性)
(注意を要する日用品の不足)
(シンガポール戦跡視察)

マレー・スマトラ視察 昭和17年8月
(南北へ発展する世界)
(南方通信網の迅速なる完成を)
(陸軍閥、海軍閥と云うような事は許されない)
(南方のデフレ傾向)
(ボルネオは夢の宝庫)
(国策会社のあり方)
(過剰物資の積極的活用)
(密貿易の利用について)
(中南米からの邦人引揚船)
(自動車に乗る日本人に思う)
(切符制の是非)
(スマトラ経営をめぐる対立)
(暗躍する利権屋)
(華僑を使った密貿易案)
(4年間の軍隊生活を振り返って)
(徴税上の注意)
(戦争の完遂こそ最大目的)
(華僑の送金問題)
(南方進出日本人の堕落)
「最近進出しつつある日本人を見ると、一見誠に指導者としてふさわしからず、また個人の行動に於ても酒場、または慰安所の如きところにのみ入りびたり、その上酔っぱらいとなって大道を歩くに到っては原住民に対する感情如何に心配せざるを得ない。また軍人にしても外出者の酒飲、だらしない者多く、酒場に於て刀を抜くに至っては言語道断である」
(船舶不足の解決策)
(ブタノールをめぐる陸海軍の対立)
(ジャワにおける陸海軍の対立)
(軍の民間人軽視)
(米の流通問題)
(マレーへ)
(錫山見学)
(カメロン高原の優良な野菜)
(イギリス植民地政策に感心)
(スマトラへ)
(女尊男卑のミナンカバウ族)

将来の敵はドイツなり 昭和17年9月
(炭鉱見学)
(熱しやすく冷め易いアチェ人)
(充実した数学教育)
(バタック族の村で)
(グッドイヤー工場見学)
(スマトラは立派な開拓地)
(新聞記者の憤慨)
(煙草園見学)
(南方に日本医学を与えよ)
(シンガポールへ)
(マレー・スマトラ一体案)
(アウタルキーの弊害)
(マレーは支那人の半島なり)
(スマトラへの華僑流入について)
(最も考慮すべきは犠牲者対策)
(南方向け宣伝映画を切望す)
(ローマ字による日本語教育を)
(楽観できない帝国海軍)
(下の者ほど負担が大きい軍隊)
(南方は青年の世界だ)
(適切なる政治は的確なる現地の認識より)
(インフレ対策)
(エステート農業の今後)
(情ない日本人の買い込み)
「(略)最近、軍政下で悪い事をする奴に日本人が多い。実に情なくなる。自由主義的利権屋の態度の捨てられぬ者、軍の名の下に悪事を働く者、これらは大東亜戦の軍神を何と思うか。南方統治は日本人からと叫ばざるを得なくなる。(略)」
(苦力の有効な活用法)

一時帰国 昭和17年10月~12月
(米不足対策)
(ビルマ独立の形態)
(シャン直轄統治の可能性)
(急激な改革は慎むべし)
(東京へ向け出発)
(シンガポールに帰任して)

ビルマ・タイ視察 昭和18年4月~5月
(ビルマへ)
(ラングーン市内見学)
(仏教によるビルマ統治)
(神代のようなカレン人の生活)
(カレン人少女が歌う日本の歌)
(シャン高原に日本人移民を)
(土侯の家に行く)
(広大な農園を管理する日本人青年)
(援蒋ルートを越えて)
(盲腸でもやれば死ぬの覚悟だ)
(若い土侯に一言)
(問題は輸送力)
(炎熱地獄のなかで)
(必勝なくして独立ありえず)
(遂に空襲されず)
(タイへ)
(第一線の軍人がこのざまで良いのか)
「(略)兵隊の大部は初年兵、ペナンの町の外出に、すっかり外国へでもやって来た気持ちになって、戦争へ行くなどと云う気持ちを忘れてしまっている。見るもの聞くもの奇しく、商店を荒らし廻ったり、氷水の立ち飲みしたり、そのざまは日本軍隊かと云いたくなる。これがビルマの第一線で働けるか。(略)指揮官はこれを如何にして陛下に、また国民に御詫びするつもりなのか。そんな良心もない指揮官だからこそ、こんなざまに落ち入るのだ。貴様等は死んでしまった方が良いのだ。(略)」・・・かなり頭にきている様子がわかる。昭和18年の時点で既に軍紀は大きく低下していることが分かる。これで戦争に勝てるわけがない。真面目にやっている人からすれば、こう書きたくなるのも無理はないと思う。私が著者の立場だったら同じことを書くだろうなぁ。
(最後に軍の自粛自戒と国民の奮起を要望す)

よく何かというと「軍国主義」のせいにするが・・・・
本当に「軍国主義」に毒されていたのだろうか?
マインドコントロールされていたと言い切れるだろうか?
この日記を読むと、どうも一概にそういうことは言えない気がする。
私利私欲に走る連中がいる。
遊び半分で南方にやってきている連中がいる。
今も昔も変わらぬ日本人の質の低さが目立つ。
軍国主義に問題があるのではなく、日本人という人種自体に問題があるのではないか?



今年の読書:16冊目



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読書 | 11:47:51 | Comments(0)