投稿日:2009-11-11 Wed
![]() | ミンドロ島ふたたび (中公文庫) (1976/06) 大岡 昇平 商品詳細を見る |
本書は、5篇の短編で成り立っている。
ミンドロ島ふたたび
この「ふたたび」ってなんだろうと思ったら、著者の大岡昇平がフィリピンのミンドロ島を訪れた話である。
大岡昇平という名は『レイテ戦記』で著名なので、知っていたが、この方が戦時中にミンドロ島に派遣された従軍者だったとは知らなかった。
これは戦後、現地に訪れた「戦跡訪問記」である。
だから「ふたたび」なんだ・・・・
比島に着いた補充兵
この補充兵とは・・・・筆者自身のこと。
筆者の従軍記である。
忘れ得ぬ人
筆者の戦友たちの思い出の記。
ユー・アー・ヘヴィー
筆者が補充兵として配属されたミンドロ島サンホセの警備隊の60余名はほとんど戦死し、生き残ったのは筆者を含めた5名。
終戦後、俘虜となった筆者の「俘虜記」である。
改訂 西矢隊始末記
筆者が配属されたのは、第105師団(勤兵団)隷下の独立歩兵第359大隊臨時歩兵第1中隊。
この中隊長の名を冠して「西矢隊」という。
で・・・この中隊の部隊史が、これで、いわゆる行動資料である。
ミンドロ島はマニラがあるルソン島のすぐ南にある島・・・・
ルソン島守備がメインとなっていたため、兵力の多くはルソン島に配置され、この島には400名程度の「警備隊」が配置されていたにすぎない。
戦史にも取り上げられないような僻地である。
だからこそ、本書は貴重だ・・・・
いつか、この島を訪れてみたい・・・・そう思った・・・・
今年の読書:59冊目
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