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野牛重兵衛

Author:野牛重兵衛
会社を実質的に自主廃業し『自由人』となる。
自ら『脱藩浪士』と名乗り自由な日々を生きることにした。
常陸国在住
59歳
今もって独身!(笑)
これからも独身!(大笑)

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戦場の聴診器
戦場の聴診器―ニューギニア戦で6回死んで90歳、「おお先生」は今日も走る戦場の聴診器―ニューギニア戦で6回死んで90歳、「おお先生」は今日も走る
(2008/09)
中田 整一

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本書の主人公は、戦時中、ニューギニアで戦い九死に一生を得て生還した三好正之という軍医さん。
2008年現在で90歳・・・・90歳なのに現役のお医者さんなのである。
本書は戦記というより、戦場での体験が90歳の今も現役の医師として第一線に立つという原動力になっているという話なのである。
戦場での辛く苦しい経験を今に生かしている。
その考え方、価値観には大いに共鳴する。
ただただ、戦争の悲惨さばかりを強調するより、いかに自分の人生に活かすか・・・・
これこそが死んだ戦友たちへの供養になるというものである。
本書を読んでみて・・・・いかに我々戦後生まれは“甘い”かということを反省させられる。
ただただ、すごい・・・・では本書を読む意味がない。
戦争を体験してないから・・・なんて言い訳である。
今年の春、私も実際にニューギニアのジャングルの中に足を踏み入れたが・・・・
この地がいかに凄い場所かはこの目で見ている。
追体験という奴である。
よくぞ、こんなところで戦ったものだと感心したが・・・・
この先生に少しでも考え方が近づくよう努力せねば・・・・と思う。

本書にはいくつかの「語録」が掲載されているのだが、これがまたいい!

私の戦後の人生すべてが、戦争中のできごとの連続であったといっても過言ではない。
すなわちあの、ニューギニア時代に比べてみれば、どんな苦しいことが現実に起ころうとも、そんなのは取るに足らないように思われた。
そして終始、困難を乗り越える勇気が与えられた。


結局、人間の小さな力では、どうにもできない大きな力が動いておる。
それに翻弄されるのが人間の一生だ、という感じを、私は持っておるんじゃ。
だからね、人間は自然に逆らわないで、そのなかでベストをつくすことが、最善ではないか、おかれた環境でベストをつくすことが大切だと思ってきたんです。


人生は、どんな修羅場や苦難のなかでも、生きることの大切さと希望を持たねばならん。
とにかく自分だけが一番苦しい不幸を背負っていると思うことは間違いで、ほかのひとも自分以上に苦しんでいる。
こちらが全滅と思ったときには、敵もこちら以上に全滅になっていた。
人間は最後の最後まで希望を失ってはいけんのじゃ。
生きる希望を持つことじゃ。
あのときの苦労を思えばどんなことでも耐えられる。


僕のところは、師団全部で1万2、3千人いたでしょ。
7割は死んどるんですよ。
連隊では8割が死んどるんです。
僕はいつも断崖の絶壁におって、いつも医療のために金をつかってきたから、バブルの被害にもあわなかった。
それもニューギニアで何べんも死んだから、死んだつもりでやれば何でもできるんだなと思っちょる。
金に対する魅力はあまりないですね。
これは哲学の問題じゃ。
僕は欲はないから、それで人が喜ぶことをやれば、それが嬉しい。


最近よく感じるのは、日本の品性が落ちてきたことです。
やはり人間には生きる目的というのがあるんだが、享楽的な生活に走っているという気がするんです。
あらゆる倫理、規範を捨ててね、金儲けに走る、それはもうあらゆる階層に、上は防衛事務次官の汚職とか、政治家も代議士も含めてね、何か金銭的な価値を追求するというのかね、藤沢周平の小説のように、昔の武士道の気持ちをもたにゃいかん。
それが失せつつある。


全く・・・同感です!

序章 「常在戦場」
  命をみつめてきた聴診器

第1章 きらら浜
  先見
  私欲の制し難きは志の立たざるによる

第2章 運命
  医家9代
  繰り上げ卒業で軍医へ
  結婚、そして遺髪と爪

第3章 決断―戦場への道
  ウィスキーと国際都市・上海
  バシー海峡と干しダコ
  桃源郷・マニラに背を向けて
  「雪部隊」への着任
  トムの死闘

第4章 軍医の戦争
  マラリア蚊
  入江山の激闘
  消えゆく命
  望郷

第5章 見捨てられた「雪部隊」
  ジャングルで自覚
  負ける修行をしたいと言った伍長
  玉音放送と炊飯の煙

第6章 再起
  復員した「おお先生」
  「町医者」として奮闘
  焼け跡の診療所

第7章 10年戦争
  戦後6代目の町長に
  裁判闘争
  フグとラグビー
  老々介護の日々

第8章 さくらんぼとニューギニア
  地域医療の最前線
  醍醐の花見
  さくらんぼの実ひとつ



今年の読書:53冊目



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読書 | 20:48:34 | Comments(0)