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野牛重兵衛

Author:野牛重兵衛
会社を実質的に自主廃業し『自由人』となる。
自ら『脱藩浪士』と名乗り自由な日々を生きることにした。
常陸国在住
59歳
今もって独身!(笑)
これからも独身!(大笑)

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幕末の外交官森山栄之助
幕末の外交官森山栄之助幕末の外交官森山栄之助
(2008/06)
江越 弘人

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幕末、外国人との通訳に当たった人を通辞(つうじ)と言った。
以前から思っていたのだが・・・・
通辞という人は大したものだと思う。
英会話学校もなかっただろうに・・・・どうやって勉強したのだろうか?(笑)
通訳のことを通辞というが、長崎でのオランダ語での通訳は「オランダ通詞(つうじ)」といい、中国語の通訳を「唐通事(からつうじ)」と分けていたという。
で・・・この「オランダ通詞」には階級があったという。
大通詞、小通詞、稽古通詞の三階級。
さらに時代が下がり通詞の増員が図られると、実務を担当する小通詞の下に小通詞助(じょ)、小通詞並(なみ)、小通詞末席(まっせき)などの階級が加えられたという。
本書の主人公の森山栄之助の父親は大通詞だった。
親子二代の通詞である。
通詞というのは決して世襲制というのではないだろうが・・・・
通常、通詞を目指す子弟は10歳過ぎごろから稽古通詞となり、15~16歳で小通詞末席となるのが普通だったようである。
ということは・・・今でいえば小学校5年生ぐらいから通訳の見習いということか?
驚きである。

鎖国していた当時、日本人が学んでいたのは中国語とオランダ語だけである。
森山栄之助(多吉郎)はオランダ通詞で、オランダ人より流暢だったという。
が・・・・将来英語が必要になると考え、自力で英語習得に努めたという。
これまた驚きである。
自力でねぇ~独学で?
で・・・日米和親条約、日米修好通商条約などの幕末のほぼ全ての外交交渉に活躍し、主席通訳を務め、条約文の翻訳に尽力した。
日本の通詞の第一人者である。
大したものである。
現在と違って英会話の教材も豊富ではなかっただろうに・・・・
どうやって外国語を身に付けたんだろう?
こりゃ、天才だな・・・・
高い授業料を払って英会話学校に通いながら一向に英語が話せない現代人がバカに見える。(笑)

これだけ活躍した森山栄之助だが、現在ではほとんど知られていな人物である。
なぜかというと、どうやら明治に入って、この当時に締結された条約がことごとく不平等条約だったためだということらしい。
で・・・その条約に尽力した人たちは無能者として「抹殺」されてしまったようである。
当時としてはやむを得ない、また、不十分な条約でも条約を締結したことで結果的に日本を救っているのである。
面白いところは、幕末の異国との外交交渉で日本に不利な原因を作ったのが、「維新の志士」という過激派の行動なのである。
維新後、明治政府は不平等条約の改正に苦労をしたが、そもそもは自分の播いた種なのである。(笑)
にもかかわらず、責任は徳川政権下の人間に負わせ、「抹殺」したらしい。
明治の世が必ずしも江戸時代より良かった、正しかったとは言えない。

著者は元小学校の先生。
プロの作家じゃないからなのか、非常に読みやすい。
また、よく精緻に調べられており、当時の外交交渉がどういうものだったのかが、よくわかる。
歴史に埋もれたというか、明治政府に抹殺された人物によくぞ光を当ててくださった!
こりゃ、いい本である!

第1章 外交の武器、言語~オランダ語から英語へ
無視され続けてきた森山栄之助
日本と英語の出会い
フェートン号事件と英語
栄之助と英語
マクドナルドとの出会い
プレブル号での栄之助

第2章 見えない森山栄之助
謎の息子森山栄之助
父源左衛門と栄之助
栄之助の英語研究

第3章 外交官森山栄之助の誕生
西へ東へ駆け回る栄之助
栄之助大通詞となる
横浜へ
日米交渉始まる
幕臣となる
栄之助と堀達之助・本木昌造
安政二年頃の栄之助

第4章 日米修好通商条約
ハリス、下田に上陸
「森山多吉郎日記」にみるハリスとの交渉
日米修好通商条約の締結
朝廷の条約拒否と条約調印強行
相次ぐ条約締結

第5章 攘夷の嵐の中で揺れ動く幕府の方針
安政の大獄と外国奉行
相次ぐ難題と外国奉行
安藤信正と森山多吉郎
オールコックと森山多吉郎

第6章 倒れゆく幕府とともに
育ちゆく若手の通詞たち
帰国後の森山多吉郎
副奉行となる
多吉郎の私生活
多吉郎の死

おわりに~福地桜痴と森山多吉郎



今年の読書:50冊目



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読書 | 19:22:51 | Comments(0)