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野牛重兵衛

Author:野牛重兵衛
会社を実質的に自主廃業し『自由人』となる。
自ら『脱藩浪士』と名乗り自由な日々を生きることにした。
常陸国在住
60歳・・・還暦である。
今もって独身!(笑)
これからも独身!(大笑)
今さら、もう無理!(大笑)

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『国民の道徳』


はじめに―なぜ道徳について語らざるをえないのか

用語解説

1章 歴史
     道徳の歴史と日本の国柄

1 「江戸」以前の道徳
     道徳は宗教と思想を伴う
     神道と他宗教との融合
     神道は日本人の精神に定着しているのか
     仏教は国家的権威になった
     鎌倉仏教は日本人の精神革命
     儒学と道徳のつながり
     「国学」、「陽明学」、「洋学」そして「実学」
     日本的精神の特質―雑種性と包括性
2 「明治」以降の道徳
     神儒仏習合に分裂が生じた
     「文明開化」への信と疑
     「日本の立場」が主張されはじめた
     教育勅語の意味
     思想の拡散が進んだ
     近代日本人の「自我探し」
     近代日本の「国民性探し」
     そしてアメリカがやってきた
3 日本は本当はヨコ社会である
     日本批判を誘発するタテ社会論
     日本は平等社会である
     日本の組織は共有の道徳に支えられている
     集団主義と個人主義の、それぞれの二面性
     日本の集団主義には伸縮性がある
     日本の個人主義は「間柄」を重んじる
     日本が外圧に弱い理由
     モラトリアムからいかに脱却するか

2章 戦後
     敗戦日本人の道徳に何がおこったか

4 天皇は「聖と俗」の境界に立っている
     天皇の本質は「最高位の神主」
     無宗教の儀式は最悪の儀式
     国家儀式は最古かつ最長の歴史を持つ神道を
     政治と宗教は根本ではつながっている
     靖国神社に参るのは道徳的義務
     天皇と国旗・国歌は別次元の国家象徴
     日本人の時間意識を構成する天皇制
5 戦争責任をめぐる道徳論の歪み
     心情倫理と結果責任
     結果責任論の危険
     国内法的にも国際法的にも天皇に責任なし
     天皇に政治的責任なし
     天皇の道徳的責任を問うてみれば
     東京裁判を「みせしめ」と認定できない戦後日本人
6 祖国のために戦うということ
     死をめぐる私徳と公徳
     戦争についての思考停止が平和主義
     憲法9条の第1項と第2項の解釈をめぐって
     紛争と戦争の区別すらが曖昧である
     国防の義務における「私心」と「公心」
     国家を愛することも国家のために戦うことも、道徳の「冷静」な発露
7 「民主」憲法の不道徳
     欽定でも民定でもない「米定」憲法
     憲法では「丸裸の個人」が想定されているだけ
     第1条と第2条で、天皇の伝統性を図らずも確認した
     憲法は「政府から国民を守る」ためのものなのか
     「国民」をつくるための教育義務
     常識・良識から遊離した条文に機能停止の宣告を
8 米ソの歴史軽視に擦り寄った戦後知識人
     欧米的な価値基準でみた日本の成功
     平成改革の基本線はアメリカニズム
     ソ連とアメリカは歴史軽視の「二卵性双生児」
     西欧近代は個人主義と集団主義に引き裂かれていた
     相互的個人主義と伸縮的集団主義の強さと弱さ
     戦後知識人のひよわさ

3章 政治
     道徳を傷つけた「アメリカ的なるもの」

9 個人の「何が」尊厳に値するのか
     道徳について考えなくてよい人間観
     「他者に迷惑をかけない」援助交際は容認される?
     個人の尊厳はどこからきたのか
     敗戦の虚無感が「人間の尊厳」にすがりつかせた
     ヒューマニズムは人間の傲慢な自己礼賛
     「人間の悪魔性」を感じとれない鈍感の罪
     「個人性と集団性」そして「私人性と公人性」
     「人間の尊厳」は「人格、規律、帰属、利己」の葛藤と平衡から生まれる
10 自由が道徳を破壊する
     自由と道徳は表裏一体
     自由な行為が秩序を破壊している
     人間の理性的能力も歴史的なもの
     道徳の基準は歴史・慣習・伝統によって示されている
     道徳における言語活動の大切さ
11 道徳を砕く進歩の歯車
     「進歩は良きこと」は根拠薄弱
     進歩主義が世界を動揺させている
     変化を選ぶ際の価値判断が道徳の体系である
     進歩主義の不道徳
     本当の進歩は「革命」ではなく「温故知新」から
     キリスト教の単線的な進歩史観
     歴史の英知を忘れた自由民主主義
     道徳を求めてこその良識
12 自由の虚妄、平等の欺瞞、博愛の偽善
     理想の標語だけが流通しつづける
     自由と規制、平等と格差そして博愛と競合
     最大の価値は精神の平衡を保つこと
     伝統は精神のダイナミズムを含んでいる
     伝統を過去から未来へどう伝えるか
     「平凡」の奥底に非凡な英知が蓄えられている
13 マスメディアが第一権力を掌握した
     日本における民主主義
     民主主義における「民」とは何か
     アメリカン・デモクラシーの限界
     多数派の欲望がいじめに、少数者の欲望が反逆に
     マスメディアは第一権力にほかならない
     個人の自由と技術の合理が道徳を無に帰した
14 権威を足蹴にする大衆人
     大衆とは「多くの普通の人々」のことではない
     政治階級としての大衆が独裁者を歓迎した
     古い権威に反逆し、新しい権威を偽装する人々
     疑似知識人と疑似大衆人の連携
     大衆は直接民主制を好む
     知識人の大衆化が最大のスキャンダル
15 健全なナショナリズムが指導者の条件
     政治家までがITに振り回される
     快楽主義の逆説
     決断力を支える説得力
     不確実性を軽んじてきた保守主義
     インターネット時代だからこそ保守思想
     「数量の支配」は永続しない
     ナショナリズムの土台をなす公平性
     ナショナル・ミニマムを的確に表現していくのがリーダーの説得力
     大衆社会から公民社会への脱出口

4章 文化
     道徳の本質を考える

16 伝統の本質は平衡感覚にあり
     西欧近代の現実
     伝統は平衡感覚としての「精神の形」
     人間精神の垂直運動と水平運動
     「あそび」の小児病化
17 「公と私」のドラマが国家意識を産み出す
     国民性と人民性
     国民性において国語が重要な位置を占めている
     「公」は人間性に内在している
     公務は国民性に奉じるもの
     「皮膚」としての国家
     「共同の物語」としての国家
18 歴史の良識こそ国民のルールである
     既存の道徳体系を打ち壊した基本的人権
     国民のルールは歴史のなかに自生する
     法律の基礎は道徳にあり、道徳の基礎は伝統にあり
     新奇な犯罪の多くは人権主義の帰結
     徳律は生活のなかで伝えられる実際知
     法律の制裁規定は道徳にもとづく
     道徳を破壊する道徳、それが人権主義
19 徳育のための知育―国語・歴史・古典的な道徳を学ぶ
     近現代は道徳・倫理を足蹴にした
     表現の源泉は個性なのか伝統なのか
     過去志向と未来志向のあいだの平衡感覚
     道徳教育のなかの徳義と徳目
     徳育なければ知育なし
     大事なのは教師の人格を陰に陽に表現すること
     国語、歴史そして古典的な道徳を学びたい
     保守思想が徳育を支える
     「革命」思想を教えてきた戦後教育

5章 経済
     道徳なきグローバリズム

20 地球市民という幻影
     国家からの独立を強める「地球市民」
     グローバリズムという大いなる誤認
     「世界化」はアンチ・ナショナリズムのための誇大宣伝
     「世界化」は単なる高度国際化ではないのか
     グローバリズムは価値の一様化を招来する
     国家は乗り超え不能である
     敗戦のトラウマによって国家という言葉にすら嫌悪感を抱いた
     「私民」という空無な存在
     国家は歴史に根差す感情共同体
     地球市民の地球政府という空箱
21 国家の不在が「市場の失敗」を作り出す
     市場原理主義は政治的詐術
     市場の失敗は「国家の失敗」にほかならない
     「確信の危機」
     ステイト・キャピタリズムの両雄―アメリカと中国
     日本の唯一の資源、「組織化能力」
     日本人は政官財知の協調を忘れてしまったのか
22 組織は道徳に支えられる
     組織は不確実性にたいする準備
     組織が不確実性への防波堤
     組織は道徳によって支えられている
     所有者と経営者の権力争い
     組織のないところでは、道徳は私徳に還元される
     サイバー・スペースに亀裂が入る
23 技術が環境に襲いかかる
     文明が文化を駆逐する
     「文明の没落」を予感させるアメリカニズム
     人間精神の単純化が自然破壊をもたらした
     環境破壊は現代文明の落とし穴
     環境に襲いかかる人間の「破壊性」
     文明への抗議を精神的本能として表明する

6章 社会
     我々は道徳を取り戻せるのか

24 「豊かな社会」の貧しさ
     豊かな社会の病理を認識しなかった日本人
     アメリカ文明の上澄み液だけを輸入した日本
     市場は単純な私的欲望しか処理できない
     市場を支える「インフラ8柱」
     市場活力は国益抜きには考えられない
     ナショナル・インフラの崩壊が道徳を衰退させる
25 「物神」に憑かれた欲望
     消費者の欲望は自発的なものなのか
     欲望の多側面
     生産者と消費者の共同イメージのなかに道徳がある
     賃金は勤労という苦痛の対価ではない
     慣習が賃金決定の主因
     フリーターからは勤労者の道徳がみえてこない
26 輿論(よろん)の道徳、世論(よろん)の不道徳
     現代社会は何をもって徳律としているのか
     ポリティカリー・コレクトは多数者の支持によって成り立つ
     大衆迎合的なPCがアメリカの価値観の最後の拠り所
     「無党派」を肯定することの愚かしさ
     「輿論」にあって「世論」にないもの
     差別語を過剰に禁止すると、博愛が偽善に陥る
     差別語はつかい方によって道徳心を喚起する
     社会に品位を与えてきたノーブレス・オブリージュ
27 「恥の文化」を壊す大衆社会
     大衆は大衆でないものを嫌う
     売春や殺人までをも自由とよぶ「恥なき世間」
     日本人にも「罪の文化」があった
     武士道の宗教性
     『葉隠』における死のすすめと生のすすめ
     「世間体を気にするなという世間体」は道徳否定
     ヨーロッパは大衆化にたいする防波堤を築こうとしていた
28 春を売るなかれ、人を殺すなかれ
     他人に迷惑をかけないかぎり何をやってもいいのか
     人はなぜ人を殺してはいけないのか
     少年法の適用年限が下げられないのはヒューマニズムのせい
     両親の義務は子供に公徳を躾ること
29 家庭は社交場である―親が子に伝えるべきこと
     家族制度にたいする攻撃
     家族の4つの機能
     父性と母性の役割分担
     夫婦別姓は子供の躾を駄目にする
     主婦の仕事は家族をめぐる社交のアート
     家族は社会の縮図である
     夫婦における死の共感
     家庭内コミュニケーションの変幻自在ぶり
     家庭を引き受けられないものは何事も引き受けられない
     家庭は社会からの逃避先ではない
30 地域社会は道徳の訓練場である
     人々の生き方と深く関係している都市・田園
     コミュニティ環境の破壊が「恐るべき子供たち」を生んだ
     都市の構造が公共的イメージを反映する
     コミュニティ作りに住民の道徳観が現れてくる
     歴史なきローカリズムは道徳を破壊する
     「住民とは何か」を問わない住民運動はエゴである
31 死生観が道徳を鍛える
     生命至上主義について
     死の不安・恐怖への対処法は死について語りあうこと
     安楽死・尊厳死という呼び方に対する疑問
     死の選択は生の選択にほかならない
     死の選択にかんする心の準備を繰り返すこと
     臓器移植をめぐるヒューマニズムの間違い
     死における人間の根源的平等
     生命至上主義がニヒリズムを蔓延させる

おわりに


本書は、今は亡き伯父から亡くなる直前にプレゼントされた本である。
伯父は平成15年に亡くなったので・・・16年以上も本棚に鎮座していた本である。
実は、あまりにも分厚くて読む気が起きず放置していたのである。(大汗)

現在の新型コロナ感染症の騒ぎのおかげか、ようやく“その気”が起きたので読むことにした。
著者の西部さんという方をよく知らない。
BSテレビか何かでチラリと見かけただけである。
その時、あまり話の上手な方ではなかったような印象が残っている。
本書を読んでみて、この方の考えが分かった。
言い回しが、少し難しいところも多々あるが、言っている内容は、非常に共感できる。
なるほどねぇ~・・・・である。

この分厚い内容の中で、私の印象に残ったのは・・・

『(~略~)勤勉な人間と怠惰な人間、高潔な人間と下賤な人間などがいる。最大多数をはじき出すといっても、人々の社会的重要度の位置づけはどうするのだということになる。そこに民主主義という名の平等主義を持ち込んで各人のウェイトを同じにするというのは、尊厳性における人間の平等、という証明されざる命題を持ち出しているにすぎない。(~略~)』

『(~略~)民衆は、投票場以外の場では公の当事者ではないと構えることが多い。公の決定にたいして不平不満だけをぶつけるものたちの政治をさして一般にオクロクラシー(衆愚政治)とよぶ。衆愚政治に堕ちたくなければ、民衆政治は、民衆のそれぞれが自分の公人性にもとづいて議論し決定するということでなければならない。(~略~)』

『(~略~)世論調査で、「自分たちの国家が危機に瀕したときに戦うか」という質問事項にたいして、ほとんどの国の青年たちが70%から90%の割合で「戦う」と答える。ところが日本の青年たちの場合は、まさしく人類の珍種ででもあるかのように、「戦う」と答えるものが10%台にとどまっている。つまり、国家への愛着を表明することは非であり、それからの離反を表明することが是である、と戦後日本人は思っているわけだ。(~略~)』

『(~略~)男女の偶然に発する長期的接触の場は、人生一般にともなう偶然の危険・危機にいかに立ち向かうか、ということのための最大の訓練場だといえる。男女関係において責任をとれないような人間は、おそらく職業上の危機にたいしても責任をとれないであろうし、ましてや国家の危機に際して責任をとれるはずがない。(~略~)婚姻関係が乱れているということは、現代人の危険・危機にたいする対応能力が弱くなり危険・危機への対応を福祉政策や安全保障条約といった社会システムにすべて委ねようとしていることと密接につながっている。現代人の危険・危機にたいする無能力および無責任が、はしなくも婚姻制度への軽侮として現れているのではないか。』

などなど・・・「道徳とは何ぞや」ということがストレートに書かれているわけではない。

残念ながら著者は平成30年(2018年)1月に多摩川で入水自殺をした。(78歳)
本書は平成12年に初版発行された本で、亡くなる18年も前に書かれたものだが、著者の「自殺」に関しての考え方、見方によっては18年後を予言するようなことが書かれていた。

『(~略~)思想的に一貫せる唯一の死に方は、シンプル・デス(単純死)、つまり簡便な自死を選ぶことである。自分が精神的存在としてもう活動できない、あるいはそれ以上活動すると自分のあるべきと思う精神の在り方を裏切る、という単純なことがありありと見通せたとき、そのときには自死を選ぶしかない。簡単にいうと、精神が死んだときには人間も死んでいるとみなし、そこでなお生き延びようとすると、自分の生命を目的なき手段に貶めることだ、と考えることである。しかもそのように自己を貶めることは社会全体に、とくに自分の周囲に、負担を強いることである。それは人間の精神にとって認め難いことである。(~略~)』

まるで遺書である・・・・

著者が自殺したとき、ほんの一瞬、騒然となったが、その後、マスコミは積極的に取り上げていなかったような記憶がある。
この人が、“保守派”だったからだろうか?
左翼もしくは左翼的マスコミから見ると、取り上げるほどのものでも、論じるほどのものでもないということか?
こういう「自殺」は、道徳的には、どうなんだろう?
本人は体が不自由になっていたらしく、熱烈なる支持者2人の手を借りて自殺したらしい。
そのため、この2人は「自殺ほう助」ということで罪に問われた。
このように他人を巻き込んでの自殺というのは道徳的にどうなのだろうか?
これらのことに何も言わないとなると、まさしく左翼には「道徳心」というものがないということになりはしないだろうか?
「道徳」を語れない、または「道徳心」がないことこそが「左翼」なのかも・・・・・
この“自分の始末のつけ方”が著者に対する評価を下げてしまったような気がしてならない。
私の感覚から言うと、まるで自己中の「左翼」の死に方にしか見えないのである。
残念である・・・

分厚い本なので、最後まで読み切ることができるかと不安だったが・・・
意外にもスムーズに読み進めることができ、無事に読み切ることができた。
著者の論法に無理や無茶がなかったからだろうと思う。
自殺の件は別として良い本だった。


今年の読書:24冊目



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読書 | 23:26:00 | Comments(0)
『戦艦大和誕生(下)』
 (こちらは文庫版)

第8章 「大和」進水

1 姿を表わした怪物
        奇怪な生き物のようなプロペラ
        未熟な鋳物技術
        運搬もひと苦労
        手作りの球状艦首
        3門の主砲
        缶と主機
        注排水装置の取りつけ
2 艦艇の頭脳部
        遅れがちな作業
        早期艤装を促進した実物大模型
        艦橋は艦の頭脳
        10階建てのビルほどもある“軍機”
        ブロック建造法と電気溶接
        海軍が開発した太径棒溶接
3 ひそやかな進水式
        気になる進水吃水(きっすい)
        進水式も隠れて
        漏水はほぼゼロ
        進水直前、突然の銃声
        巨艦の簡素な進水式
        “不運の艦”を暗示する進水式
4 「大和」竣工
        最終段階での繰り上げ要求
        早期艤装が生きる
        さらに司令部施設改造の要求
        “やればできる”の意気に燃えて
        公試を無事に終了
        日米開戦
        ずば抜けて低かった工数
        2号艦「武蔵」との比較
        工数で2倍の開き

第9章 戦時下の船舶建造計画

1 日米軍拡競争の中で
        船殻主任から予算部員へ
        海軍力増強“イタチごっこ”
        出師準備発動へ
        両洋艦隊法案の衝撃
        “戦時線表”
2 「戦争遂行は可能」の根拠
        商船の建造計画まで
        船舶統制へ
        商船建造能力の見積もり
        ABCD包囲網の中で
        国策決定者の無知、無思慮
        南進政策と船舶の確保
        見積もり者の責任?
        一夜漬けの数字をもとに開戦決定
        予測と現実の違いの原因は
3 海運統制へ
        商船建造遅延の原因
        海軍主導の造船業
        海運統制をめぐる関係機関の思惑
        突然の呉転任中止
        海軍で商船も建造!?
        電撃的な商船建造計画
        船台を半減させる
        艦艇と商船のかけ持ち
        造船行政一元化の真相
        乱暴な続行船の打ち切り
        改4線表
        海軍が積極的に商船に
        造船は全国的に国家統制下に

第10章 商船の大量建造

1 空母の時代へ
        ミッドウェーでの大敗北
        空母改良研究会
        空母主体へ大転換
        商船班の補強
        逓信省や民間からの引き抜き
        日米生産能力の驚くべき格差
2 造船界の風雲児
        造船所調査団
        閑職のはずが激務に
        調査団が行く
        異端の造船所
        「厳重なる監督を要す」
        一企業の社長と首相との関係
        ベルトコンベア式の造船工場?
3 素人考えから出た改E型船
        少壮技術者を集めた鎌倉会議
        さかんになった造船各社の交流
        川南案の採用
        素人の案に傾いた理由
        設備からはじめられた改E型船建造計画
        ブロック建造法の全面採用

第11章 多量生産への第一歩

1 消耗戦の中で
        南方戦線での大量消耗
        消耗戦における補給の重要性
        上海の闇ルート
        日陰者の商船班
        蛇蝎(だかつ)の如く嫌われて
        占領地の造船設備の視察
2 マスプロに活路を
        生産を2倍に
        「増産こそ祖国を救う唯一の途(みち)」
        半年で180パーセントに
        一等輸送艦の危険な任務
        月産2隻のわりで
        2隻2列の流れ作業で
        SB艇の役割
        海軍の強度の管理工場
        タンデム方式
3 生産性への挑戦
        司令長官戦死の衝撃
        「もっとヤキヤキやれ」
        「例外を認めて差し支えない」
        部下より先を走る上司
        わざわざ実物大模型をつくる理由
        つくりやすい図面へ
        艦艇に生産性を導入した初の試み

第12章 無責任な精神主義

1 無意味な査察
        なぜ藤原査察団の随員に?
        査察団の背景
        達成不可能を知りながら
        あっというまの工場建設
        生産現場で頑張った女学生
        おとなしかった“藤吉郎”
        無意味な大名行列
2 “不沈艦”への相次ぐ被害
        ますます開く目標と現実とのギャップ
        損傷した「大和」の入港
        意外な弱点を発見
        1ヵ月で修理完了
        主力兵器の交代の時期
3 謎の潜水艦
        呉工廠における潜水艦への取り組み
        電気溶接の権威の来日
        ST52とシュミット流溶接技術
        溶接研究の成果
        新しい建造方式
        潜水艦の任務は輸送に
        伊400型の任務は米本土爆撃
        米本土爆撃の効果?
        なんの役にも立たず終戦
        “軍事技術者”不在の悲しさ

第13章 狂気の特攻兵器製造

1 特攻兵器の出現
        断末魔の南方戦線
        捨て身の戦法もむなしく
        セブ島での甲標的(こうひょうてき)の活躍
        特攻兵器出現の背景
        生産の拠点は呉工廠
2 特殊潜航艇・甲標的
        甲標的の由来
        実用艇の建造へ
        真珠湾での甲標的の成果は?
        甲標的の量産
        丁型は基地防御用の小型潜水艦
        毎日1隻のペース
3 人間魚雷「回天」
        狂気の兵器
        廃止された脱出口
        「回天」第1号は浮上せず
        死にいく若者の手助け
        玄作戦―「回天」最初の出撃
4 木製特攻艇「震洋」
        ベニヤ板に自動車エンジン
        まるで船大工の仕事
        波に打たれて窓があく
        意気あがらぬ工場での奮闘
        反骨の少壮造船官
        水中飛行機の発想
        「海龍」の量産
        技術者と用兵側の意識の差

第14章 生産戦での敗北

1 飛行機をつくる造船官
        艦船も不要に
        艦政本部が飛行機を優先
        呉工廠から飛行機の現場に
        伝統がないゆえに
        ものをつくる現場の共通性
        部品不着は空襲の影響
        いつになく寒い冬
2 無謀で愚劣な作戦
        呉への初空襲
        「大和」の沖縄出動
        千尋の海底に没す
        二度目の空襲の恐怖感
3 技術者の矜持(きょうじ)
        「4ヵ月で千機の飛行機をつくれ」
        実施不可能な特攻機製造計画
        山への避難を徹底させたが
        技術者の焦り
        8月6日広島
        B29の小さな部品にアメリカの力が
        次代の若者のために生産技術の勉強会を
        8月15日―わずか3行の記述

あとがき

参考文献一覧


下巻は、戦艦大和の建造から、今度は輸送船建造の話に移る。
どうしてもっと輸送船をもっと建造しなかったのだろうと以前から疑問に思っていたが、その理由が分かった。
西島造船官が必死になって活躍したが、それでも太刀打ちできなかった。
その強引ともいえる活躍のせいで恨みを買ったらしく、戦後、西島氏は業界には戻らず静かに余生を過ごしていたらしい。
大きな貢献をしたのに残念である。
こういうことは今でもどこかで起こっているのではないだろうか?
最後は、特攻兵器開発とその生産についての話。
ここまでくると、造船官も辛いものがあっただろうなぁと思う。
体当たりして自爆するものを作るわけだから・・・
それにしても、この本は、今まであまり知られていなかったことにスポットライトを当てたいい本だと思う。
興味深い話が満載で、読みごたえがあった。


今年の読書23冊目



読書 | 21:59:40 | Comments(0)
『戦艦大和誕生(上)』


序章 海軍造船に西島あり

        「戦艦『大和』をつくった人」
        画期的な建造システムの開発
        埋もれた業績
        「造船世界一」の真のルーツは
        モーレツ社員のはしり
        膨大な回顧録

第1章 海軍造船大尉西島亮二の誕生

1 造船への道
        西島の直弟子
        私欲のない人
        工学一筋
        息子との交流
        飛行機に憧れて進学したものの
        海軍委託学生となる
        「一躍して中尉となり」
2 ワシントン条約の波紋
        造船技術の育成が急務
        漁夫の利で一躍、造船大国に
        ワシントン軍縮会議の背景
        「今日から米国との戦争がはじまった」
        軍縮条約の要点
        大艦巨砲主義時代の幕開け
        「訓練に制限はない」
        美保ヶ関事件
        日米開戦への第一歩

第2章 科学的生産管理法への第一歩

1 軍艦の神様
        量から質へ
        “軍艦設計の天才”
        “不譲(ふじょう)”の失脚
        とにかく軽く
2 生産管理への道
        呉造船廠でのスト騒ぎ
        “機械のデパート”
        制式、標準化の必要性
        新人造船官の奮闘
        生産管理こそわが進むべき道
        戦後日本の造船にもつながる
3 科学的管理法
        科学的管理法と日本
        日本における科学的管理法のはしり
        リミットゲージの効用
        コストダウン対策
        機械化しにくい現場
        鉄道院の試み
        制式化への取り組み
        「造船は特別」意識との戦い
        金物の制式化と量産
        材料統制方式
        一点突破方式で次々に波及
        地道な作業の蓄積によって
        周囲との軋轢(あつれき)も
        ロンドン軍縮条約をめぐる攻防

第3章 次々と新技術を導入

1 溶接船の登場
        電気溶接法の導入
        民間に遅れてはならじ
        一工手による溶接研究
        溶接法導入に踏み切るとき
        大胆かつ慎重に
        「八重山」での試行錯誤
        溶接技術の成果
2 「大鯨(たいげい)」の教訓
        海軍内の溶接船建造合戦
        なにもかも急造の中で
        熱変形で頓挫(とんざ)
        急遽呼ばれた助っ人コンビ
        発想の逆転で乗り切る
        車軸とプロペラ未搭載で進水式
        酒豪の進水主任
        傷だらけの新造艦
        心臓部も失敗
        ガス切断の問題点
3 工数統制と早期艤装
        横須賀での材料統制
        工数統制への挑戦
        西島カーブ
        早期艤装のルーツ
        問題は艤装の工数
        構想は間違っていない
        “素人”の心意気
        工場配置を一変させる大改革

第4章 相次ぐ大惨事

1 「友鶴(ともづる)」遭難事件
        転覆・大破した水雷艇「友鶴」
        死者98人の大惨事
        海軍には二重のショック
        上がる一方の重心
        設計者自身も不安に
        ずさんな応急措置で役務(えきむ)に
        悪いのは要求か、設計か
        新旧計画主任の性格の違い
        用兵側優位の体制の中で
        両雄の確執
        容赦のない改造
        「友鶴」以前に事故はなかったのか?
2 第4艦隊事件
        バックリングによる事故
        純技術的観点がないがしろ
        波に艦首をもぎ取られる
        起こるべくして起こった事故
        “貧乏世帯(じょたい)のつじつま合わせ”
3 溶接の受難
        バカにできない“素人の直感”
        日本周辺の特殊事情を考慮しなかった
        兵装は現状のままで
        溶接が目の敵に
        溶接制限措置
        基礎的、総合的研究が遅れていた日本
        溶接推進派の不満
        冷たい溶接?

第5章 戦艦「大和」建造計画

1 超弩級(ちょうどきゅう)戦艦建造計画
        きな臭い時代に
        「大和」計画の背景
        「他国の追随をゆるさぬ卓越した戦艦を」
        「5年のリード」
        46センチ砲の威力
        「大和」の概案まとまる
2 ドイツの先進性
        溶接研究の継続
        防御面での溶接の効用
        溶接に適した鋼材を求めて
        工場見学の禁止
        溶接棒の違い
        造船機械工業の裾野の広さ
        日独の技術水準の違いを痛感
3 主機をめぐって
        タービンとディーゼル併用の効用
        海軍でのディーゼル導入の歴史
        「4基ともタービンにすべき」
        決定変更の背景
        設備はドイツが頼り
4 大艦か、航空機か
        目覚ましい航空機の発達
        巨大戦艦は“床の間の置物”
        海軍総体としては大艦巨砲主義
        「日露戦争のときのセンスそのまま」
        日米の認識の差

第6章 建造準備は着々と

1 全面戦争に
        1年3ヵ月ぶりの団欒(だんらん)
        日中戦争突入とともに
        戦争一色の中で
        “③計画”予算をめぐる攻防
        鯛の養殖場に鯨
        造船官を悩ます予算と工数
        緻密ゆえにトン当たりの単価が高く
        損な役まわり
        過去の施策を生かす
        「大和」建造のスケジュール
2 建造設備の登場
        ずんぐり形の「大和」
        「大和」の防御思想
        甲鉄は一層か二層か
        水中弾、起爆魚雷対策
        「大和」の弱点
        能率アップにつながるならなんでも
        気が抜けない重量管理
        甲鉄技術の修得
        「矛盾」を克服するために
        船殻内業加工もすべて廠内で
        能率的配置がえ
3 設計と機密保持
        「設計の牧野、現場の西島」
        徹底をきわめた機密保持
        軍機をめぐる悲喜劇
        突然の主機変更
        基本設計の仕上げ作業
        正式訓令下る

第7章 前代未聞の複雑な巨大戦艦

1 能率曲線と早期艤装
        あっけない起工式
        船殻工場の作業
        甲鉄の遅れ
        要求される緻密な仕事
        工数統制の徹底化
        能率曲線の導入
        こわいけど、話のわかる主任
        優秀な工員たち
        早期艤装の本格導入
2 残工事との戦い
        工事忘れのチェック
        鋲打ちが命
        青天井の二重底検査
        延々と続く検査
        毒ガス対策の気密試験
        空母「信濃(しなの)」の沈没
        艦内に案内標識
3 “世界一”の甲鉄
        “軍機”も山から丸見え
        隠せば隠すほど人の噂に
        姿を現わした恐竜
        逃げの廃止
        厚さ410ミリの甲鉄
        世界一の甲鉄の効果は?
        設計者の反省

参考文献一覧


「戦艦大和」という文字が目立つ本なので、戦艦大和の事しか書かれていない本かと思ったらそうではなかった。
海軍造船官の西島という人の活躍ぶりが主となっている。
造船官が、どういう仕事をしてきたのか・・・
どういう苦労を重ねてきて、戦艦大和の建造までに漕ぎ付けたのかが書かれている。
そういう意味では「戦艦大和の誕生」という題名は間違っていない。
この西島という造船官の活躍がなかったら、当時の造船技術や生産能力では戦艦大和は完成しなかったのではないだろうか?
当時の日本の工業技術や造船官という仕事がよくわかる本である。


今年の読書:22冊目



読書 | 22:09:51 | Comments(0)
『私論連合艦隊の生涯』


序論 二人の提督の死

第1部 揺籃の記

第1章 日清戦争
       薩摩の海軍
       豊島沖海戦の余波
       「定遠」いまだ沈まず
       戦訓・黄海海戦
       水雷戦の幕開け
第2章 権兵衛大臣
       六六艦隊構想
       司令長官の更迭
       ロシア太平洋艦隊
       旅順口閉塞作戦
       見えざる敵
第3章 バルチック艦隊
       朝鮮海峡の霧
       蔚山沖の雪辱戦
       東郷平八郎の断言
       ロジェストウェンスキーという男
       遠征部隊の行方
       丁字戦法は天祐か
       戦訓・日本海海戦

第2部 輾転の記

第4章 軍縮と仮想敵アメリカ
       ド級艦誕生と八八艦隊
       ワシントン会議と二人の加藤
       対米漸減作戦
       軍政と軍令の確執
       六割比率の意義
第5章 統帥権問題
       内憂外患の海軍
       干犯事件の布石
       天皇の平和への意志
       戦艦か飛行機か
       列強の巨艦計画
       衝撃、渡洋爆撃

第3部 終焉の記

第6章 連合艦隊の奔騰
       山本五十六登場
       真珠湾攻撃の謎
       戦訓・マレー沖海戦
       米豪分断作戦
       戦訓・ミッドウェー海戦
第7章 連合艦隊の蹉跌
       猛将の本領発揮
       戦訓・南太平洋海戦
       戦艦二隻喪失
       山本長官の死の周辺
       米軍反攻と連合艦隊再建
       戦訓・マリアナ沖海戦
第8章 混迷の海
       大艦巨砲の幕引き
       栗田と宇垣の胸中
       『ヤキ1カ』電を究明する
       戦訓・レイテ沖海戦
       連合艦隊の終焉

「文庫版のあとがき」に代えて
          高城 肇

付 海軍主要人事表


本書の副題は「興隆と滅亡の軌跡」である。
明治の日清・日露戦争から太平洋戦争で壊滅するまでの連合艦隊についての話・・・
「私論」と断っているが、奇をてらったような話ではなく、まっとうなお話である。
豊田穣さんの本は、いつも安心して読めるので私は好きなのだが、氏は平成6年にお亡くなりになってしまった。
本当に残念である。
レイテ沖海戦の「謎の反転」については、予備知識がないと、ちょっと分かりづらいかもしれないが・・・
この「ヤキ1カ」の電報にかなり迫っていることに驚いた。
さすがは豊田さんだと、改めて氏の見識の高さに感心した。


今年の読書:21冊目



読書 | 09:55:21 | Comments(0)
『飛行隊長が語る勝者の条件』


太平洋戦争・主要海空戦年表

真の勇者
 攻撃406飛行隊長・壹岐春記少佐の証言
   中国大陸への爆撃行
   開戦前の猛訓練
   英戦艦「レパレス」を雷撃
   マリアナ方面で索敵任務
   銀河でレイテ沖海戦参加
   “弱虫”は飛ばされる!

鶴翼の陣
 空母「瑞鶴」飛行隊長・高橋定少佐の証言
   緒戦は比島で戡定作戦協力
   「突撃」下令後の被弾、漂流
   士気高揚が目的のの「い」号作戦!?
   横空隊長で反跳爆撃法を指導
   奇計、射出機による攻撃

稀少の人
 空母「蒼龍」艦攻分隊長・阿部平次郎少佐の証言
   5発投弾で2発命中
   真珠湾第二次攻撃について
   予感したミッドウェーの敗北
   機種別の搭乗員気質

損失ゼロの奇跡
 202空飛行隊長・鈴木實中佐の証言
   大分空から202空へ
   3回に及ぶ圧倒的連勝記録
   中国戦線で二度の感状授与
   飛行隊長の役割

集中と分散
 空技廠飛行実験部部員・高岡迪中佐の証言
   3種類の“恐さ”
   液冷エンジンの彗星と誉の銀河
   珍しい性能実験
   空技廠と横空の役割のちがい
   ジェット機「橘花」のテスト
   支那事変では金鵄勲章受章

秘めたる闘志
 重巡「熊野」飛行長・高木清次郎少佐の証言
   スラバヤ沖海戦の“痛快”
   ミッドウェー海戦余話
   水偵の射出と揚収
   水上機から陸上機へ

見敵必墜
 空母「翔鶴」戦闘機分隊長・山本重久少佐の証言
   トリンコマリー攻撃で初撃墜
   激戦のサンゴ海海戦
   菅野直も教えた大分空教官時代
   空技廠の戦闘機乙部員
   紫電改で本土防空戦

忘れえぬ空戦
 851空飛行隊長・日辻常雄少佐の証言
   初陣は九四式水偵で大陸へ
   開戦早々の飛行艇による雷爆撃
   B17との死闘
   電探索敵成功第1号
   二式大艇のポーポイズ実験
   四国の詫間に集結した飛行艇隊

ラバウル籠城
 958空分隊長・小野英夫少佐の証言
   珍しい経歴の“将校”
   南支作戦の失敗談
   長い応召暮らし
   予備から現役の海軍大尉へ
   ラバウルでの戦闘

40日間無飛行
 652空飛行隊長・阿部善次少佐の証言
   真珠湾の戦艦に命中
   爆撃したのはアリゾナ?
   ダッチハーバー攻撃と艦爆使用
   652空飛行隊長へ転出
   不本意なマリアナ沖海戦
   終戦までロタ島籠城
   アウトレンジ戦法批判

一大海空戦
 空母「飛龍」艦攻分隊長・松村平太少佐の証言
   異常に長い「飛龍」勤務の理由
   「ウエストバージニア」に魚雷を放つ
   真珠湾攻撃の事前訓練の実態
   「瑞鶴」飛行隊長としての戦闘

戦う青年士官
 攻撃401飛行隊長・安藤信雄少佐の証言
   緒戦のウェーキ島爆撃
   長時間の日施哨戒飛行
   ラバウルからのガ島攻撃
   銀河による比島・沖縄作戦

以て瞑すべし
 空母「瑞鳳」艦攻分隊長・田中一郎大尉の証言
   緒戦時の危うい着艦事故
   ミッドウェー海戦へ参加
   南太平洋海戦での第三次攻撃隊
   ホーネットに800キロ爆弾命中
   批判される「い」号作戦
   白菊特攻を指揮する

過誤の真相
 元山空分隊長・二階堂麓夫少佐の証言
   大陸での「102号作戦」
   マレー沖海戦のある真相
   駆逐艦爆撃で命中弾を得ず
   ボルネオのクチンへ進出
   サンゴ海海戦へ参加
   野中少佐の後任で神雷部隊へ

獅子奮迅
 戦闘301飛行隊長・香取穎男大尉の証言
   “母艦要員”へ
   マリアナ沖「大鳳」艦上での強運
   初陣で“2機撃墜”の戦果
   52型乙13ミリ機銃の威力
   横浜空襲のB29を墜とす

戦果と武運
 戦闘311飛行隊長・田淵幸輔大尉の証言
   射撃は下手だった?
   653空の分隊長に
   ルソン島アパリへ不時着
   B29を邀撃できず!
   5航艦の麾下に

部隊最古参
 偵察302飛行隊長・伊藤敦夫少佐の証言
   「瑞穂」と南方作戦
   「長門」飛行長で「あ」号作戦参加
   レイテ湾めざした「大和」艦橋で
   栗田艦隊を北転させた電報
   水爆「瑞雲」による沖縄作戦

あとがき 平成8年4月 雨倉孝之

文庫版のあとがき 平成11年9月 雨倉孝之


今年の読書:20冊目



読書 | 19:32:26 | Comments(0)
『航空テクノロジーの戦い』


はじめに

第1章 ふくれ上がる頭脳と技術の集団
          技術者たちの殿堂に朝が来て
          戦線の拡大に伴い最前線へ
          危険と隣り合わせの職場で
          ついに悲劇的な事故起こる
          真っ二つに折れた「銀河」

第2章 急速に悪化する戦局のはざまで
          名人芸だった技手・工長クラス
          大学新聞と「一本の手拭」
          多感な学徒が垣間見たもの

第3章 戦時動員者のリーダーとして
          軍隊調規制下での寮生活
          山中一郎技術中尉の体験
          “女の空技廠”―思い出と誇り

第4章 飛行機を作った少年たちの自負
          難関を突破し工員養成所へ
          最先端技術と取り組んだ日々

第5章 間一髪だった爆弾と魚雷の完成
          報われた材料部創設への努力
          徹甲爆弾に生きた選科学生制度
          きびしかった戦備の現実

第6章 繰り返された機体の強度試験
          新素材の採用と耐Gテスト
          極限の設計から生まれた零戦

第7章 急がれた空中分解の原因解明
          佐藤忠雄技師を班長として
          疲労とフラッターに関する研究

第8章 アメリカに立ち遅れた艤装技術
          表面化した日本機の弱点
          先覚者の貴重な分析結果
          防弾・防火のための応急措置

第9章 防御に欠かせないゴム技術の確立
          “発想の転換”が生んだ生産方法
          国産合成ゴム製造への試み

第10章 風防ガラス改善のための努力
          第一線部隊からの要望をうけて
          見直された防弾ガラスの重要性

第11章 バランス感覚を欠いた設計思想
          作戦を狂わせた不良部品
          量産を阻んだ精緻な構造

第12章 実戦に耐えるエンジンへの改良
          実習で感じた日米の格差
          エンジン新時代の幕開き
          研究の成果をいよいよ実戦に

第13章 戦闘機の運命を決定した選択
          高性能への期待だけが先走り
          「栄」を積んだ零戦の登場

第14章 代用鋼に苦しんだ「誉」の開発
          官民あげての総力体制
          完成後の度重なるトラブル
          社風の違いがもたらした影響

第15章 「アツタ」をめぐる生、そして死
          ドイツからの無理な技術導入
          増加した技術者たちの犠牲
          死をまぬがれぬ特殊任務へ

第16章 金属材の不足を補う苦肉の策
          再び注目された木製の機体
          ロマンチックな愛称の飛行機
          量産にはうってつけの工場

第17章 「プラスチック」黎明期の人々
          活躍の場を与えた太っ腹海軍
          現在も残る貴重なモニュメント
          木製化技術をバットに応用

第18章 ばねが取りもった48年の縁
          小さな部品に現われた技術力の差
          戦後に知ったばね疲労の解決策

第19章 逆境の中から出発して得た栄光
          復興に役立った空技廠での研究
          海軍への偏見はやがて賞賛に
          新幹線の給電システムを開発

第20章 「人材養成」の場としての役割
          研究を育んだリベラルな環境
          軍人となることを好まず
          戦後へ残した多大な遺産

文庫版のあとがき

人名索引一覧


本書は単行本『海軍技術者たちの太平洋戦争』の文庫版化したものである。
私は文系の人間なので、こういう理数系のことは、さっぱりわからないのだが・・・
そういう人間でも、ついつい引き込まれてしまう面白さがあった。


今年の読書:19冊目



読書 | 14:38:18 | Comments(0)
『児玉誉士夫 巨魁の昭和史』


プロローグ

 河野訪ソの大壮行会
 児玉は政治プロデューサー
 本書が基づいている資料

第1章 「鉄砲玉」変身す
―国粋主義青年からインテリジェンス工作員へ(戦前期)

 児玉の生い立ち
 若きプロパガンディスト
 「鉄砲玉」からインテリジェンス工作員へ脱皮
 10月クーデターに失敗
 インテリジェンス工作員として再び中国へ
 汪兆銘の護衛と三井コネクション
 知られざる児玉と昭和通商との関係
 辻政信とともに南京を追われる

第2章 大陸で得たものは何か
―インテリジェンス工作員から児玉機関長へ(戦中期)

 海軍航空本部とどう結びついたのか
 児玉誉士夫は物々交換で物資調達した
 児玉機関はインテリジェンス機関だった
 児玉はレアメタル鉱山王だった
 児玉は略奪や残虐行為に手を染めていたか
 児玉は不正蓄財をしていたか
 児玉の政治工作
 水田は誰に殺されたのか

第3章 巣鴨プリズンでの証言
―特務機関長からGHQの協力者へ(占領前期)

 児玉は戦争犯罪容疑者指定に不満だった
 政治プロデューサーになった契機
 阿片コネクションで釈放に待ったがかかった
 暴かれた児玉と昭和通商の関係
 児玉はヘロインの買い付けをしていた
 児玉と里見の関係
 今度は右翼団体調査のために釈放見送り
 今度はタングステンとB・C級戦犯容疑
 児玉機関の資産目録
 児玉機関の資産は7000万円だった
 児玉機関の資産はどこへいったのか

第4章 辻政信と台湾義勇軍
―GHQの協力者からG-2秘密工作員へ(占領後期)

 児玉はGHQと取引して釈放されたのか
 児玉と辻と「台湾義勇軍」
 根本の密航の手引きをしたのは「台湾独立連盟」だった
 「台湾義勇軍」は「有末機関」が担当した
 謎のOSI局員「フランク」
 GHQは密輸を黙認していた

第5章 「CIAスパイ説」の真相
―G-2秘密工作員からCIAの協力者へ(吉田政権期)

 「台湾義勇軍」とタングステン密輸
 朝鮮戦争後におきたインテリジェンス機関の再編
 辻政信をリクルートしたOSI
 W作戦は心理戦だった
 ドゥーマンとは何者か
 かくしてドゥーマンと児玉は結びついた
 児玉はドゥーマンのW作戦に巻き込まれた
 タングステンの買い付けにやくざを動員
 W作戦が生んだ巨額の利益
 ドゥーマンの三つの心理戦プロジェクト
 CIAと児玉の同床異夢
 辻と児玉の吉田暗殺・クーデター計画
 W作戦の破綻
 ドゥーマンの破綻処理
 篠田竜夫がスケープゴートにされた
 ドゥーマン、CIAと決裂

第6章 政界工作と鳩山一郎総理の誕生
―CIA協力者から政治プロデューサーへ(保守合同期)

 自らのイニシアティヴで日本政治をプロデュースし始めた
 児玉の政界工作のツール、保全経済会
 日本テレビと保全経済会
 保全経済会疑獄へ発展
 児玉、広川離反をお膳立て
 相手の弱みを握るために賄賂を渡した
 児玉に保全経済会事件のもみ消しを依頼
 吉田政権崩壊して鳩山政権成立
 鳩山総理大臣の「自主防衛」演説
 児玉にとっての鳩山政権成立の意味
 鳩山を見捨て緒方に乗り換える
 緒方急浮上の背景
 鳩山は「自主防衛」より日ソ国交回復をとった
 小豆相場操作で保守合同の資金調達
 ジャパン・ロビーが選んだ次期首相
 保守合同の舞台裏
 CIAは緒方を担いだ

第7章 戦闘機選定でみせた「腕力」
―政治プロデューサーからロッキード社秘密顧問へ(岸政権期)

 派閥連衡と金権政治
 児玉は岸のファンだった
 保守合同後の児玉の政治目標
 ロッキード・グラマン事件で児玉と岸が激突
 児玉はこの事件をどう見ていたのか
 大西人脈を通して航空自衛隊に浸透
 グラマンとカーン、川部
 児玉のロッキード社支持はコンサルタント契約前だった
 ロッキード社のグラマン内定取り消し工作
 国防会議決定の前日にCIA特殊グループ発足
 河野はCIA資金をもらったか
 岸政権支援の秘密資金は二種類あった
 なぜCIAは岸を援助したのか
 第五福竜丸事件がアメリカを安保改定に向かわせた
 パートナーとして選ばれたのは岸
 岸ならば核密約を結べる
 戦闘機を売って日本の軍備強化
 児玉の岸へのいやがらせ
 グラマンからロッキードへ逆転決定
 誰がいくら手にしたのか
 CIAは賄賂工作をオーケストレーションしていた
 自民党に賄賂を贈るのはアメリカの国益にかなう

第8章 掌中の玉は河野一郎か、岸信介か
―ロッキード社秘密顧問から安保改定の黒子へ(安保改定期)

 光琳の間の誓約
 児玉は岸とグルになっていた
 なぜ児玉は岸を助けたのか
 なぜ安保は改定しなければならないのか
 岸政権崩壊の危機
 児玉は岸のために工作した
 児玉の大野・河野を見る冷たい視線
 民主社会党の結党と河野の反乱
 死を覚悟した岸と佐藤
 岸暗殺未遂事件
 児玉が岸を暗殺する動機はない
 河野の新党結成騒ぎ
 渡邉恒雄は中曾根の工作員

第9章 外交交渉と利権のはざまで
―安保改定の黒子から日韓国交正常化の立役者へ(池田政権期)

 朴正熙革命政権に手を差し伸べた児玉と木下産商
 児玉誉士夫の木下産商との関係
 金・大平メモと児玉
 児玉と町井の韓国利権
 反共産主義のための日韓国交正常化
 CIAは児玉の国費招待を拒否

第10章 角栄、小佐野との接点は?
―政治プロデューサーから政治ブローカーへ(佐藤政権期)

 児玉のコンサルタント契約と中曾根の自主防衛論
 児玉は日本を売ったのか
 児玉と小佐野の結びつき
 佐藤政権から田中政権へ
 「日米関係構造汚職」
 優等生がまっさきに危機に陥った
 児玉の工作資金は政府緊急融資保証からでた

第11章 6億円領収書の謎
―政治ブローカーから背徳的フィクサーへ(田中政権期)

 児玉と中曾根の力技
 日米共同開発から輸入へ突然切り替わった
 田中と中曾根は武器輸入で同意したのか
 P3C導入に道を開いた「武器輸入」
 コーチャンは「割り当て」に異を唱えた
 児玉と中曾根は小佐野抜きで「割り当て」を逆転した
 児玉と中曾根は何を工作したのか
 6億円はニクソンに還流したのか
 73年以降の児玉の工作
 CIAはマネーロンダリングをしていた
 片山はCIAとつながっていた
 児玉領収書は偽造

第12章 明暗を分けた「ロッキード」の終わり
―背徳的フィクサーとして死す(「角影」政権期)

 児玉の転落
 中曾根はアメリカ大使館にもみ消しを要請した
 どうやって児玉は偽患者になったのか
 ロッキード事件はウォーターゲート事件から始った
 コーチャンは高をくくっていた、が、準備していた
 ロッキード社のもみ消し工作
 CIAの刺客
 三木はCIAコネクションを隠蔽した
 CIAは三木に口止めした
 児玉隠しはP3C隠し
 児玉ルートは闇へ
 児玉の10億円は「所得」か
 幕引き工作
 三木政権の危機が中曾根・児玉隠しに結びついた
 総選挙、そして児玉ルート捜査打ち切りへ
 中曾根と児玉の弁明
 追い詰められていく児玉
 福田尋問調書とコーチャン尋問調書
 中曾根の怪気炎
 そしてP3Cは輸入された
 児玉裁判の陰で進められていた日米同盟
 結局アメリカはすべて手に入れた
 敗北と勝利、そして死

エピローグ
 児玉への挽歌

主な引用・参考文献

あとがき


今年の読書:18冊目



読書 | 17:20:39 | Comments(0)
『天皇を救った男 笠井重治』


はじめに

第1章 1本の電話

不穏な直感
慰めの報酬
ルーズベルト大統領の「メッセージ」
天皇につながる男

第2章 事件の伏線

マンスフィールドの“暗喩”
「米国からの絶対の信頼」
富士川から太平洋へ
シカゴ大学雄弁最優秀弁論賞
潰えた楽観主義

第3章 天皇を救った密使

天皇制護持の功労者
「象徴」という表現
「どの日本人よりも古く、確かな友人」
「遺憾の意」の提言
フリーメーソン日本支部の設立
ウィロビーとの交流

第4章 ナゾの男を追って

岡田晃の推測
ナゾの男
周恩来からの手紙
二人の出会い
『裸女と白狼と大地と』

第5章 遺された日記

「笠井日記」の解読
周恩来からのメッセージ
米中接近を察知していた外交官
空白の3時間

第6章 遺されたメモ

オフレコ
米中国交回復の密使
再び空白の3時間
大地の「のろし」
最後のご奉仕
「外交政策は平和の手段である」
「バックチャネル」が抱え込んだ歴史の真相

後書きに代えての付記
  政界往来について
  笠井重治の憲兵隊拘束の日時について
  笠井の戦前における米国での立ち位置について
  ウィロビーと笠井との関係について
  川井龍夫こと卜兆凰という名前について
  沖野三について
  岸信介と笠井重治との関係について
  グラントについて
  外務省と笠井との関係について
  密使について
  密書について
  密書の蓋然性について

主要参考文献と謝辞


本書の主人公の名、「重治」は「しげはる」ではなく「じゅうじ」と読むらしい。
この人・・・あまり知られていない人だが、実は、すごい人らしい。
私がこの人の名を知ったのは、極東軍事裁判(東京裁判)で通訳をしていたということで知っていただけ。
どんな人なのかは知らなかったので、読んでみた。
東京裁判で天皇が戦犯として訴追されないように工作をしたことは知っていたが・・・・
それ以前の、日米開戦を回避するための工作でも動いていたとは知らなかった。
更には、戦後のニクソン米大統領の電撃訪中でも・・・
とにかく日米関係に影響力を与え、献身した人だったそうで、その“手柄”を誇ることもなく、とことん“黒子”に徹して、1985年にこの世を去った。
笠井は、1976年7月、独立200年を迎えた米国上下両院で、その功績を顕彰されている。
米国議会でその功績が顕彰された最初の外国人だそうだ。
日本では全く無名に近い人物だが、米国は彼の功績を高く評価している。
現在の日米関係の基礎を作った功績を評してのことらしい。
彼の活躍がなかったら、現在のような緊密かつ友好的な日米関係は作り上げることができなかっただろうと言われている。
やたらと手柄を誇りたがる人が多い中、こういう人もいたのかと感激した。
よくぞ、この方を“掘り起こし”てくださったと著者に感謝したい。


今年の読書:17冊目



読書 | 00:15:12 | Comments(0)
『ながい旅』


責任

軍律

横浜法廷

反対尋問

弁護側証人

公判の合間に

司令官の証言

法務官

判決まで

新生

後記
   岡田資遺稿集

解説  中島岳志

岡田資・年譜

参考文献



東海軍司令官の岡田資(たすく)中将が本書の主人公である。
岡田中将は、我が戦車第2師団の初代師団長だった人で、私はその戦友会の事務局長をやっている。
と・・・不思議な縁かな?
戦車第2師団は第2代師団長の岩仲中将の時にフィリピンに転進して米軍と戦い壊滅している。
当然、私が岡田中将を知るわけはないが・・・
岡田師団長を知る“戦友”が、お一人だけ存命している。(今年98歳になる)
13年ほど前、『明日への遺言』という映画が封切られた。
主役の岡田中将を藤田まことが演じた。
本書がベースで制作された映画らしい。
この映画を是非見て欲しいと“戦友”から言われ映画館へ行った。
藤田まことが演じる岡田中将は、“戦友”の語る岡田中将そのものだった・・・

岡田資は、大戦末期に第13方面軍・東海軍管区司令官として内地にいた。
昭和19年5月から6月にかけてのB29による空襲で、撃墜されたB29からパラシュートで脱出して“捕獲”された米兵の処刑を命じたということで戦犯となった。
本書はその戦犯裁判の様子を描いたものである。
B29が行ったこれらの空襲は、国際法に違反している「無差別爆撃」である。
“捕獲”した米搭乗員は、“捕虜”ではなく“戦犯”(犯罪者)である。
大戦末期の混乱(空襲など)で、軍律会議で裁くことなく、独断で処刑を命じた。
米搭乗員を処刑した部下たちも戦犯容疑者となったが、岡田中将は、米軍の行った無差別爆撃の違法性を主張しつつ、処刑の責任は自分にあるとして部下の減刑を求める“法廷闘争”を行うのである。

終戦当時、戦犯容疑から逃れようと、卑怯な言動をする多くの将官の中で、岡田中将は異彩を放っていたらしい。
当時、59歳・・・
今の私と同じ年齢である。
もし、私が司令官として、岡田中将と同じ立場だったとして、同じように米軍による違法行為を主張するだろうが、さて、米搭乗員に対する処刑の責任を一身に引き受けることができるかというと自信がない・・・
自分も死刑を回避しようとするかもしれない。
岡田中将の、この腹の据わり方はスゴイ・・・

結果的には、昭和24年9月17日の午前0時半に死刑が執行されるのだが、淡々と処刑台に昇って行ったというのだから、“人間の出来が違う”んだろうなぁと思う。
自己保身に走る気は毛頭ないが、かといって素直に処刑されるかというと・・・自信がない。
同じ歳なのにねぇ~
う~んと唸るしかない・・・
惜しい人を失ったという気がしてならない。
こういう人こそ戦後も生き残って活躍してもらいたかったという思いである。

本書は法廷でのやり取りなどが主となっているので、読み手によっては退屈に感じるかもしれない。
私は“初代師団長”ということもあって親近感を持っているせいか、スッと読めたが・・・
本書は、問題提起とともに、岡田中将のいい記録である。
残念なのは、この本が出版されたのが、岡田中将の奥様が亡くなられた翌年ということ・・・・
奥様が本書を目にすることなくこの世を去られたのが残念でならない。


今年の読書:16冊目



読書 | 23:00:32 | Comments(0)
『天皇と東条英機の苦悩』


はじめに

第1部 巣鴨プリズンのA級戦犯

マッカーサーが支配する日本
東条大将に通訳した笠井重治
自殺未遂となった東条の誤算
東条逮捕に合掌する妻の勝子
逮捕に来たMPを一喝した嶋田大将
戦争責任を感じた杉山元帥の自決
天皇退位論が起きた戦後の混乱
マ元帥を訪問した天皇の苦悩
戦犯で逮捕された川島芳子の悲劇
戦犯を志願した容疑者の挑戦
モーニングの正装で出頭した荒木大将
皇族や重臣を震撼させた戦犯指定
戦犯に指定された59名の名簿
天皇名代で入所した梨本宮殿下の不満
わが子を励ました母親の手料理
楽隊つきで入所した晴れがましき信条
同盟通信と訣別する古野伊之助
読売の争議解決で入所した正力松太郎
検事の詰問に反論する気迫と信念
東条を慰めた巣鴨の恩情
自衛のためやむを得ぬ戦争への道
責任を逃れた近衛公爵の服毒自殺
天皇側近、木戸幸一出頭の意義
塀の中の質素な食事の中身
岸信介の元気な運動と百姓志望
迷惑を受けた正力松太郎の入浴
高橋三吉大将の意外な多芸
GHQがしかけた天皇の人間宣言
手づくりの位牌で戦争犠牲者を供養する心
米ソ首脳へ抗議し拷問に耐えた笹川の体力
天皇戦犯説に揺らぐ連合国の気炎
飛行機20機と飛行場を寄付した青年
東条に遺言を説得する論理
看守兵の上司を謝らせた荒木大将の気骨
ボーナー准将がマ元帥に上申した天皇擁護論
グルー米駐日大使、戦争回避はできず
和平を望む山本五十六の遺言
和平工作を拒否した杉山参謀長の無責任
軍事裁判の法廷が市ヶ谷に完成
釈放された梨本宮殿下と郷古潔
起訴された25人のA級戦犯
発狂した大川周明のしぐさ
被告の思想統一に励む獄中の良識
B級戦犯を大釈放させた献身的努力
皇居に押し寄せた米よこせデモの本音
畑で野菜を作りビタミンを補う収容者たち
GHQから皇籍を離脱させられた宮家
天皇訴追をやめたキーナン検事の政治的手腕
キーナン検事に反論した荒木大将の論理
広田弘毅にはじまる戦争責任
広田の腑甲斐なさを一喝した笹川良一
仲間に嫌われた木戸と東郷の言い訳
正力松太郎の座禅と復讐への執念
秋刀魚を便所に隠した姫路の殿様
同僚を罵倒して釈放させる妙案
死を覚悟した松井、板垣の両大将
田中隆吉少将の虚言で死刑にされる武藤章
天皇を戦争責任から救った東条の証言
東条が褒めた笹川の母の偉さ
最高裁長官が再燃させた天皇退位論

第2章 A級戦犯の遺書と書簡

宣告を受けた被告たちの表情
A級戦犯25名に苛酷な判決
裁かれたのは「日本国」だ!
ウェッブ裁判長が天皇を免訴した理由
貧乏くじを引いた広田の不運
死を直前にした死刑囚と家族たち
処刑された7名のA級戦犯
火葬場から盗んだA級戦犯の遺骨
処刑後、天皇の苦悩と心境
岸信介が無罪となった理由
獄中を慰問する意義と役割
興亜観音に納められたA級戦犯の遺骨
『黙れっ!中将』佐藤賢了からの手紙
壮烈!岡田資中将の死
マッカーサー元帥の解任と帰国
講和後、巣鴨は日本の管理となる
減刑活動に奔走する人々の熱意
服役者が慕う心の支え
死刑囚、飯田角蔵から感謝の手紙
勧業本店の接収を救った笠井重治の功績
東久邇元首相は戦犯を免除されていた
生活費の前払いを依頼する遺族の手紙
モンテンルパ収容所の戦犯たち
頻繁に巣鴨へ差し入れた品々
メーデー騒擾事件後の荒木、嶋田大将
終身重労働刑、大西一大佐からの手紙
もう一種類あったA級戦犯の遺骨
全員釈放まで葬儀は出せぬ母の遺言
マ元帥が評価した天皇の魅力
賀屋興宣から届いた手紙
三河湾を望む軍縮条約の歴史
獄中で書いたA級戦犯の揮毫
25人の意義ある辞世の言葉
無念を叫ぶA級戦犯の遺書
マ駐日米大使が評価した笠井の実力
一世紀を生きた鈴木貞一
パール博士の遺徳を讃える
戦犯刑死者を供養する白菊遺族会

あとがき

参考文献一覧


本書は「天皇と東条英機・・・・」と銘打っているが、天皇陛下に関する話は、それほど多くない。
A級戦犯の話がメインである。
A級戦犯といえば、処刑された7名にどうしても注目が集まるが、本書では、処刑された方々以外の人や、通訳などその周辺の方々の話が結構詳しく書かれている。
これは資料としても貴重ではないかと思う。


今年の読書:16冊目



読書 | 22:04:32 | Comments(0)
『フェイクニュース』


はじめに

第1章 フェイクニュースが引き起こした約13兆円の暴落
 フェイクニュースはハイブリッド戦兵器
 ネット世論操作が狙う社会の4つの脆弱性
 アメリカ大統領選で勝利したのはロシア?
 民主党とクリントン陣営のメールがハッキングされた事件
 フェイスブックの情報漏洩とケンブリッジ・アナリティカ
 ロシアの広告がフェイスブックで1億5千万人に表示
 アメリカ国内に拡がるロシアやイランのフェイクメディア
 ロシアのメッセージが世界の3千以上のメディアに1万回以上拡散
 マケドニアの少年のネット世論操作関与の真相
 ロシアのネット世論操作の歴史
 世界に拡がるロシアのネット世論操作
 金融市場向けフェイクニュースPR企業

第2章 フェイクニュースとハイブリッド戦
 フェイクニュースの定義、対策
 現状のAIによる自動判別は論理的に破綻
 ファクトチェックは決め手にはならない
 検証記事を理解できない人間が増えている?
 フィルタバブルと政治フィルタ、機能的識字能力フィルタ
 フェイクニュース対策でもっとも重要なのは政府の体制
 最強の非対称兵器 フェイクニュース
 ネット世論操作の4つのパターン
 ネット世論操作の基本は国内の支配確立
 拡大するネット世論操作産業
 巨大な影響力を持ったSNS企業はもはや国家である
 エピストクラシー、GoogleUrbanism、ハイブリッド地域戦

第3章 世界48ヵ国でネット世論操作が進行中
 世界各国のネット世論操作部隊
 世界ネット世論操作部隊 中国五毛党、イギリスJTRIG、トルコAK Trolls 等
 ヨーロッパを脅かすロシアのネット世論操作
 ロシアを支持するフランスの国民戦線(現在の国民連合)
 ロシアが支援するポピュリズム政党が政権を取ったイタリア
 独立分離運動のカタルーニャはロシアンマフィアの拠点
 ハイブリッド戦としてのクリミア侵攻

第4章 アジアに拡がるネット世論操作 政権奪取からリンチまで
 国内統治とナショナリズの台頭を狙う世論操作
 インド フェイクニュースで7人がリンチ殺人
 インドネシア ネット世論操作業者が選挙戦で暗躍
 フィリピン 政府が推進するネット世論操作大国
 シンガポール フェイクニュースで4千万円稼いだ日系人
 ベトナム ロシア支援で急速に進むネット言論統制と世論操作
 カンボジア ネット世論操作企業が支える独裁体制
 マレーシア 世界最大級の金融不祥事を巡るネット世論操作
 タイ 振り子のように軍政と民主主義を行き来するフェイクニュース国家
 ミャンマー 70万人っを国外脱出させたフェイスブックの悪魔
 韓国 元国連事務総長に大統領選出馬を撤回させたフェイクニュース
 台湾 中国のネット世論操作の標的

第5章 日本におけるネット世論操作のエコシステム
 日本ではどうなっているのか?
 政府実行 自民党のネット組織
 政府容認、支援 政治家のウソがフェイクニュースを許容
 政府容認、支援 政府がヘイトを許容
 政府が演出する「攻撃してもよい」雰囲気
 世論操作のためのボットが日本でも大規模に活動
 右よりアカウントのフォロワーの8割はボットとサイボーグ
 政権支持のトロール募集記事を堂々とネットで告知
 日本における情報遮断
 煽動される日本人 13万件の懲戒請求騒動
 国の仕組みに組み込まれたウソ 親学と江戸しぐさ
 フェイクニュース大国への道を歩む日本
 問われているのは我々自身である

謝辞

おわりに

参考文献


本文の中に“専門用語”のカタカナ文字、参考文献の英文が、まんべんなく散らばっているので、ちょっと読みづらい。

その中で、面白い記事を見つけた。
機能的識字能力の低い人が多いという話・・・
これは文章を読んでも正しく意味を理解できない人のことを言うそうだ。
こういう識字率の低さは世論操作の耐性に大きくかかわっているという。
なるほどねぇ~・・・である。
確かに、それは言えるなと思う。
私のブログに誹謗中傷のコメントを書き込んでくる人などがいるが・・・・
ちゃんと文章を読んでいますか?・・・と尋ねたくなるくらい“読解力”がない。
言葉の裏も読んでますか?・・・と言いたくなるのだが・・・どうも理解できないらしい。(大汗)
多分、知能指数が低いのだろうと思っていたのだが・・・
「機能的識字能力」が低いのか・・・なるほどねぇ~・・・である。

本書の問題は、第5章・・・・
日本に関しての話なのだが・・・・
政府と自民党と保守派を一方的にとことん批判している。
たしかに政府が嘘をついたり情報操作をすることはあり得るだろうし、実際にやっているかもしれないが・・・
じゃぁ、野党や左翼などはどうなのだろう?
自民党の国会議員個人の名まで持ち出しての批判・・・
野党の議員はどうなんだろう?
産経新聞の記事に対しては批判し、朝日新聞に対しては好意的な書き方をしている。
じゃぁ、朝日新聞はフェイクニュースを流したことはないのだろうか?
韓国の済州島で女性を強制連行して従軍慰安婦にした・・・という朝日新聞の記事は完全なフェイクニュースであることが今でははっきりしているのだが、それには触れていないのは何故だろう?
どうも偏っている気がする。
これでは著者の“立ち位置”が、どこにあるかが明白である。
となると・・・今まで長々と書かれていた話・・・・どうなんだろう?
信用していいものやら・・・(大汗)
本書自体が世論操作やフェイクになっているんじゃあるまいかと疑心暗鬼となってしまう。
著者はカナダのバンクーバー在住の“小説家”だそうだ。
それって何かの言い訳なのだろうか?・・・・と、ついつい穿った見方をしてしまう・・・(汗)
所詮は“小説家”が書いていることですから・・・ということか?
小説は“創作”であって、“ノンフィクション”ではないからなぁ。(大汗)
最後の最後になって、残念な結果となってしまった。


今年の読書:15冊目



読書 | 23:10:07 | Comments(0)
『指揮官たちの特攻』




本書は特攻で散った関行男と中津留達雄という2人の指揮官の話である。
関行男は、かの有名な神風特別攻撃隊の指揮官である。
一応、神風特攻の第1号と言われており、フィリピン・ルソン島のマバラカット飛行場からレイテ島沖の敵艦船に特攻をかけている。
中津留達雄は関行男のように有名ではないと思うが、昭和20年8月15日の終戦直後に発進した「最後の特攻」隊の指揮官である。
この「特攻隊」は、連合艦隊参謀長をやったこともある第5航空艦隊司令長官の宇垣纒中将が、自ら率いて沖縄の米軍を攻撃するため大分の基地から発進したものである。
ただ、この特攻隊には大きな問題があった。
一つは、出撃が終戦の詔勅が発せられた後に終戦を無視して発進した点・・・
もう一つは、どうみても宇垣中将の個人的感情から計画されたものではないかということ。
どうしても死にたければ、一人で割腹自決でもすればよいものを、若い連中を道連れにして出撃したのである。
自分が操縦できるなら自分一人で飛んでいけばよいが、宇垣は飛行機の操縦はできない。
命令を発して中津留に操縦させて、沖縄の米軍に突入するというのだから尋常ではない。
よく周囲も留めなかったと思うが、無責任なんだろうねぇ~
司令官が特攻をするとなれば、「私もお供いたします」と若い連中が同行するのは火を見るより明らかではないか?
戦争は終わったというのに・・・将来のある若い連中を道連れにしたのである。
遺族の怒りはいかばかりかと思う。
しかも、宇垣中将を乗せた中津留が操縦する特攻機は、沖縄まで飛んだが米軍を攻撃せずに近くの島に突っ込み自爆したらしい。
もし、米軍に突っ込んでいたら、停戦後であるから、とんでもないことになっただろう。
そのとばっちりを受けて多くの日本人が命を落とすようなことになったかもしれない。
それに気が付いて故意に自爆したのかどうかは誰にも分らないが・・・
この死に方・・・まさしく無駄死にではなかろうか?

マバラカットから飛び立った特攻隊第1号の指揮官に選ばれた関行男の選び方にも疑惑があるらしいことを聞いたことがある。
命じた連中は戦後も生き残り、特攻についていろいろ書き著わしているが・・・
死人に口なしである。
「喜んで引き受けた」は本当かどうか・・・

特攻第1号と最後の特攻の、この二人・・・
たまたま偶然だったのかどうかはわからないが、海軍兵学校同期で、宇佐航空隊での実用機教程を一緒に学んだ仲、しかも二人とも新婚早々の妻帯者で、同じ23歳で死んだという。
一人っ子とか、妻帯者とか、そういう人は特攻隊員には選ばないという話を聞いたことがあるのだが、妻帯者をわざわざご指名しているとは、どういうことだ?
裏に何かあるのか・・・戦後、やたらと美談に仕上げてしまっているのではないかと勘繰りたくなる。

当時はやむを得なかったかもしれないが・・・
関行男は、自ら志願したのかどうか・・・中津留達雄は終戦後にわざわざ死ぬ必要があったのだろうか・・・
そう考えると、読後感は最悪・・・気分が悪い。


今年の読書:14冊目



読書 | 21:55:09 | Comments(0)
『秘録 宇垣一成』


   八十八叟 美土路 昌一

第1部 宇垣一成組閣に失敗

第1章 宇垣内閣の流産
 組閣の大命降下
 宇垣日記による組閣経過の概要
   出馬の決意
   御召に接し大命を拝して組閣に着手す
 宇垣と石原莞爾の大勝負
 宇垣の組閣難航す
 組閣大命拝辞の真相
 宇垣日記による軍の動きと拝辞後の感想
   寺内陸相、杉山教育総監、小磯の態度
   大命を拝辞す
   何故陸軍が騒いだか
   陸軍大将辞任の問題
   組閣失敗後の感想
   佐藤賢了氏の記録「大東亜戦争回想録」より
   荒木貞夫氏の証言(内閣流産前後の事情)
   橋本欣五郎氏の謎の一言
 陸軍はなぜに宇垣を排斥したのか
   石原千慮の一矢
 石原大佐の宇垣内閣反対意見に対する筆者の見解
 むすび

第2章 軍部大臣選任難の由来
        (藩閥、軍部、政党の抗争)
 軍部大臣現役制の経緯
   隈板内閣の軍部大臣選任難と「優詔問題」
   陸相後任難による第二次西園寺内閣の倒壊
     (2個師団増設問題、宇垣は当時軍事課長)
   第三次桂内閣の海相選任難と政党の倒閣
   軍部大臣任用範囲の拡大と2個師団増設
     (怪文書による宇垣の転出と再度の軍事課長)
   海相選任難のため清浦内閣の流産
   原内閣の軍部大臣選任難
   二・二六事件後の軍部大臣現役将官制の復活
     (翌年、宇垣内閣の流産)
 宇垣の組閣失敗の誘因と見られる事項

第3章 宇垣軍縮の真意義
 世界の軍縮への傾斜
 宇垣軍縮の真相
   山梨陸相による軍縮
   宇垣の軍縮対策
 宇垣軍縮の内容
   澄田■四郎氏(24、軍司令官、中将)の軍縮感
   佐藤賢了著「大東亜戦争回想録」より
   伊藤正徳著「軍閥興亡史」より
   陸軍省の官制改正
 将校の補充源
   将校補充に関するドイツおよび日本の実例
   少尉候補者制度
 部隊の廃止、将校整理の反響
   中岡弥高(13、中将)の談
   宇垣の将校整理に関する感想
 現役将校の学校配属と青年訓練
   宇垣莞爾氏(宇垣の長兄の次男、海軍中将)の談
 宇垣の将校整理対策
   伊藤正徳氏の学校教練評
 荒木の「宇垣軍縮」に対する批判
 むすび

第4章 三月事件と宇垣
 三月事件の時代背景と概貌
   昭和5年頃の日本の状態
   内政か、外政か
   朝倉文夫氏の宅
   第二部長室
   赤坂料亭の一夜
   無産党の議会闖入
   三月事件の計画概要
 宇垣と大川周明との出合い
 当時の小磯軍務局長の立場
   伊藤正徳著「軍閥興亡史」より
 永田軍事課長のメモ
   菅原裕著「相沢事件の真相」より
 山脇正隆氏の証言
   いわゆる三月事件についての片々
 鈴木貞一氏の証言
 荒木貞夫氏の証言
 「宇垣日記」による事件の真相
   少壮軍人の奮起と大川周明の企図
   第二回デモと小磯、大川の話し合い
   「宇垣変心説」と暗殺計画
   宇垣宛大川周明お書翰(宇垣日記より)
 むすび
 有識者の三月事件についての感想
   美土路昌一氏の談
   伊藤正徳氏「軍閥興亡史」より
   若松只一氏の談
   稲田正純氏の談
   飯村穣氏の談

第5章 軍の統帥(特に人事)と陸海軍備に関する宇垣の理念
 軍の最高統帥
 陸海統帥系統の推移
   陸海軍の任務区分
 主として陸海両軍備の調整について
   大艦巨砲主義
 人事
   田中義一首相評(昭和2年7月1日)
   荒木貞夫、林銑十郎及び川島義之の三陸相評(昭和7年)
   人事(閥)に関する毒舌(教育総監部本部長当時)
   貴族院議員大井成元大将評
   真崎大将評(昭和12年8月27日)
   宇垣の「責任感念」観
   由比大将の退職は遺憾
   上原元帥評
   進級の問題
   皇道派と統制派
   今村の宇垣観
   高級将校の行賞は意外

第6章 宇垣と派閥ならびに政治性
 薩長閥との関係
 陸軍大臣就任の経緯
 薩長に対する非難
   上原元帥の宇垣に対する派閥観
 宇垣の政治性

第2部 外相として真価を発揮した日支和平工作
     ―孔祥熙行政院長との長崎会談の構想―

第1章 宇垣外相の日支和平工作
 知られざる宇垣、孔秘密会談
 (当時香港総領事中村豊一氏の記録)
   千載一遇のチャンスを逃がす
 石射猪太郎氏の記録
   宇垣外相の登場
   宇垣外相の和平工作
   外務省革新事務官グループ
   対華中央機関、宇垣外相の辞職
 甲斐文比古氏の証言

第2章 宇垣外相の和平工作についての諸見解
 宇垣の和平工作崩さる(「軍閥興亡史」より)
   「相手にせず」の改訂
   ひそかに和平の予備会談
   「満洲国」問題で“なし崩し解決策”を示唆
   「相手とする」新方針
   長崎会談に水を差す
   交渉の行手に「興亜院」
   孤剣折れて宇垣退く、和平会談を打崩す近衛声明
   両政府、最後の機会を失う
 稲田正純氏(29、陸軍中将、当時の参本作戦課長)の宇垣外相観
   筆者の対稲田氏所見
 佐藤賢了氏(29、陸軍中将、当時の報道部長、後の軍務局長)の証言
 田中新一氏(25、陸軍中将、当時陸軍省軍事課長、後に開戦当時の参本作戦部長)の証言
   北支事変突発当時、不拡大か一撃かの方針
   日支和平問題
   「国民党政府を相手にせず」の声明
   宇垣外相辞任に対する観察
 むすび
   興亜院問題に関する筆者の思い出
   外国人による近衛公の評価
 宇垣外相の辞職
 宇垣日記から見られる日支和平問題
   宇垣外相と、英、米大使との接触
   「蒋政権を相手にせず」の声明について
   宇垣の和平準備工作
   時局収拾の方針(私案)
   陸軍首脳部との交流
 宇垣日記その他に見られる外相辞任問題
   宇垣・木村氏の問答
   外相辞任に際し、首相への進言
   橋本龍伍氏の宇垣外相観

第3章 人間・宇垣一成

第1章 宇垣一成の人間性
 宇垣に対する人物評
   矢吹一夫氏の宇垣観
   馬場恒吾氏の宇垣評
   田中新一氏の宇垣観
   小林省三郎氏、宇垣観の変遷
   中野正剛氏の宇垣に対する観念
   今村均氏お宇垣観
   宇垣評に対する宇垣の論評
 宇垣の情義
   家族、肉親等に対する情愛
   荒木氏の感想
 一成叔父の憶い出
   小便一滴
   机ぶとん
   よもぎもち
   釘と金槌
   一日1万歩
   先輩、旧部下、同僚、知友に対する人情
 宇垣の人相、健康、趣味
 宇垣の運勢とその最期
   宇垣翁の最期
 宇垣日記(随想録)の意義

第2章 宇垣の人生観と信仰
       生は有限に活き、死は無限に活く
   宇垣の人生観
   道徳、信仰、信念について
   武士道について
 宇垣の信仰
   宇垣と日蓮宗
   日蓮宗「不受不施派」
 日蓮宗「不受不施派」について
   宇垣不評の原因
   機密費の使用
 宇垣と儒教、とくに「陽明学」
   陽明学
 宇垣日記に散見する宇垣の信仰(宗教)

第4部 八十八年、宇垣の歩み

第1章 杢治少年の立志ならびに父祖兄弟
 両親と4人の兄
   両親
   4人の兄
   宇垣家の祖先

第2章 青年将校時代

第3章 第1回留学から日露戦役を経て第2回留学まで
 第1回ドイツ留学(自明治35年9月 至 同37年4月)
   編制定員の問題について
 日露戦争
   北韓に出征
   満洲に転進
 第2回ドイツ留学(自明治39年2月 至41年2月)

第4章 中堅将校時代
 教育総監部課員、課長(自明治41年12月 至 同44年9月)
 教育総監部第1課長宇垣中佐
          故林桂氏(13、後の教育総監部本部長)遺稿
 第1回軍事課長(自明治44年9月 至大正2年8月)
 歩兵第6連隊長(名古屋)(自大正2年8月 至 同4年1月)
   宇垣連隊長を偲ぶ―当時の新任少尉 安井繁礼氏(26)
   中村明人氏(23)連隊旗手時代の回想
 第2回軍事課長(自大正4年1月25日 至 同8月10日)

第5章 将官として教育、軍令、軍政の」の要職に歴任すること9年、陸相として登場するまで
 陸軍歩兵学校長(自大正4年8月 至 5年3月)
 参謀本部第1部長、総務部長(自大正5年3月 至 同8年4月)
   宇垣将軍の雄図
 陸軍大学校長(自大正8年4月 至 同10年3月)
 第10師団長(姫路)(自大正10年3月 至 同11年5月)
   宇垣師団長の片影 稲田正純氏の回顧談
教育総監部本部長(自大正11年5月 至 同12年10月)
   現今の農村問題
   文官大臣出現の暁における現役軍人の立場について
   遷都論
   震災についての陸軍の三大失策
 陸軍次官(自大正12年10月 至 同13年1月)

第6章 五度、陸相を歴任
 清浦内閣の大臣時代
   清浦内閣の成立と宇垣の入閣
   半歳未満、清浦内閣の総辞職
 第一次、第二次加藤内閣の大臣時代
   三派連立の第一次加藤内閣
   第二次加藤(憲政会)内閣
 第一次若槻内閣の大臣時代
   軍籍関係議員の会食
   若槻内閣の倒壊
 田中内閣時代(宇垣は軍事参議官)
   田中内閣の成立と宇垣の入閣拒否
   宇垣の特別大演習軍司令官と特命検閲使
   満洲某重大事件と田中内閣の総辞職
 浜口内閣の大臣時代
   浜口内閣の成立と宇垣の入閣
   宇垣の中耳炎と阿部次官の陸相代理
 浜口首相の遭難から総辞職まで
   若槻内閣の成立と宇垣の留任辞退、依願予備役
 宇垣が陸相として残した一大足跡
   必任義務兵の待遇改善

第7章 朝鮮統治の6年

第8章 宇垣内閣の流産後から参議、外務大臣まで
 宇垣内閣流産後の時の動き
 支那事変突発当時の宇垣日記
   日支交渉の私案(未定稿、7月29日)
 参議制の確立と宇垣就任の経緯
 参議会の模様
   宣伝の要について
 外務大臣就任の経緯

第9章 外務大臣辞任から終戦まで
 外務大臣辞任後約3年間の宇垣日記より
 大東亜戦争開始前の宇垣日記より
   東条内閣の出現
 大東亜戦争開始当初の宇垣日記より
 昭和19年秋の支那旅行
 長年にわたる宇垣の大陸政策と日中親善
   鈴木貞一氏(22、企画院総裁、国務大臣)の証言
   日中親善について
 大東亜戦争末期の宇垣日記より
   ソ連、日本を侵略国と呼ぶ
   米空軍の神経戦
   本土決戦態勢の整備

第10章 終戦後の宇垣
 終戦直後の宇垣日記より
 栄典拝辞お上奏
   宇垣の上奏文
   下村陸軍大臣の上奏文
 戦争裁判について
   高松芳三氏(白鶴不動産代表取締役)の証言
   追放令について
   憲法改正について
   朝鮮半島に想いを馳せる
 28年4月の参議院選挙
 宇垣の戦争犠牲者慰霊援護に関する熱誠
   戦争犠牲者の援護と慰霊

あとがき

宇垣一成年譜
 (自1868〈明治元年〉 至1956〈昭和31年〉)


宇垣一成は著名な軍人なので、お名前は存じ上げていた。
なぜか、この人は同じ軍人仲間からは不評なのである。
それは、たぶん軍縮という大ナタを振るったせいだろう。
おかげで多数の軍人がクビを切られたわけだが・・・・
当時の国家予算の都合や国際情勢で、軍縮をすることはやむを得なかったと思うが・・・
軍縮を断行しながら、浮いた予算の一部で軍の装備等の近代化を図っているのだから、本当は感謝されてもいいと思う。
そのあたりが分からないというのは、いかに“近視眼的”な人達が多かったか・・・である。
今も昔も変わらないなという気がする。
戦後の活躍ぶりも知って驚いたが、残念ながら、あまり高く評価されないのは、軍縮の恨みが続いているせいなのか、宇垣本人の個性に問題があるのか・・・
それにしても、この人は軍人というだけではなく、政治家としての能力の高い人だったと思う。
本書が宇垣に好意的に描かれていることは当然だろうから、話半分としても、やっぱりすごい人だったと思う。
もっと評価されてしかるべきだと思う。


今年の読書:13冊目



読書 | 23:51:28 | Comments(0)
『文明の衝突と21世紀の日本』


はしがき

21世紀における日本の選択―世界政治の再編成

冷戦後の世界
   一極・多極世界
   多文明化する世界
   中国の台頭とイスラムの復興
   イスラム世界の挑戦
   文化による国家の統合
   冷戦後のヨーロッパ
パワーの構造
   国力の四つのレベル
   多極化する21世紀―孤立する超大国
   排他的な超大国
文化および文明的観点から見た孤立国家・日本の特徴
   孤立する国家・日本
   西欧化しない日本
   革命のない日本
   中国と日本
   中国と日本とアメリカ
   東アジアの命運

孤独な超大国―パワーの新たな展開

パワーをめぐる国際関係
   あの超大国と・・・・
   一極・多極体制
   超大国と地域大国
アメリカは慈悲深い覇権国ではない
   アメリカの覇権主義
   アメリカの外交政策
   軍事介入の限界
   「うわべだけの覇権国」
無法者の超大国
   孤立しつつあるアメリカ
   他国から見たアメリカ
   アメリカの罪
柔軟な対応
   反覇権連合の形成?
   協調と便乗のジレンマ
孤独な保安官
   パワーと文化の相互作用
   アメリカの選択肢
   世界の警察官をやめる

文明の衝突―多極・多文明的な世界

多極化・多文明化する世界
   冷戦後の世界
   文化の相違と宗教
文明の性質
   単数形の文明・複数形の文明
   文明と文化
   「われわれ」対「彼ら」
   文明の発展段階
現代の主要な文明
   中華文明
   日本文明
   イスラム文明
   東方正教会文明
   西欧文明
   ラテンアメリカ文明
   ヨーロッパとアメリカ
   アフリカ文明(存在すると考えた場合)
文明の構造
   冷戦時代の国家関係
   孤立国、日本
   第二段階の分裂
中核国家と文明の断層線での紛争
   異文明間の紛争
   中核国家間の戦争
冷戦後の国際関係
   主要な舞台としてのアジア
   東アジアの安全保障
アジアとアメリカの冷戦
   アメリカと中国の紛争
   中国の覇権―バランシングとバンドワゴニング
   中国の新たな台頭
   これからの中国と日本
転機となる戦争、アフガン戦争と湾岸戦争
   断層線の戦争へ
   イスラム教徒の連合
   アラブ世界とアメリカ
   フォルト・ライン戦争の特徴
   フォルト・ライン戦争とコミューン戦争
西欧の再生はなるか?
   「不死の幻影」
   西欧文明の特徴
   アメリカと西欧文明
   アメリカの多文化主義
   多極的世界の戦争と秩序
文明の共通した特性
   普遍主義と相対主義
   多文明世界における文化の共存
   平和と文明の将来

解題  京都大学教授 中西輝政
「ハンチントン理論の衝撃」
  明晰な分析で見通した「時代の直感」
  「ピルグリム・ファーザーズ」=アメリカを体現する理論家
  皮肉な結論―F・フクヤマ理論を超えて
  「文化多元主義」とハンチントンの視点
「日本の選択」と「ハンチントン理論」
  国家戦略論としての「文明の衝突」理論
  日本人とハンチントン理論の価値
  「日本の選択」としての「文明の衝突」論の意義


題名に「21世紀の日本」とあったが・・・
期待して読んでみたが、それほど日本について書いているわけではないように思えた。
「文明の衝突」については分かるけど・・・(汗)


今年の読書:12冊目



読書 | 12:39:42 | Comments(0)
『吉田茂の軍事顧問 辰巳栄一』


まえがき

序章 首相には「影の参謀」がいた

ワレ首相軍事顧問ニナレリ
  「軽武装」翻させた建言
遅すぎた「再軍備が必要」への転換
  直筆書簡「国防問題の現在ニ付深く責任を感し」
  詭弁を弄し続けた政治家
  【吉田と辰巳の「大磯会談」】

第1章 葉隠精神と破天荒の時代

窮乏にもめげない「尚武の気風」
  幼少・青年期を過ごした佐賀時代
  叔父から厳しく礼儀作法
  二里半の通学で鍛えた心身
喧嘩に明け暮れた陸士のころ
  陸軍士官学校へ進学
  中学出と幼年学校出の反目
放蕩で独立守備隊へ飛ばされる
  青春を謳歌した駐留の地、島根県浜田
  「二十一カ条要求」に吉田反対
  運命決めた日英同盟破棄
  乱行たたり、大陸へ
「恩賜の軍刀」と御乳人の出会い
  陸軍大学校へ進学、そして結婚
  結婚相手は陸軍先輩の義妹
  第三次山東出兵に従軍

第2章 情報戦争の渦の中へ

英国で過ごした苦難の十年
  陸軍を制御する力ありや
  生涯を決めた一本の電話
  英国で知った満州事変勃発
  軍の暴走許した「統帥権干犯」
英国情報が「事変」を変えた
  武官代理として陸軍武官室を取り仕切る
  英軍から受けた「好意」
  痛感した情報機関の必要性
  軍部批判の自由主義者
羽織袴でカーネル・イシハラ登場
  石原莞爾に日本軍の真意語らせる
  英国で持論を披露
  満州国の理想をよそに
  【石原莞爾の満蒙問題解決策】
武藤元帥の死と危険な予兆
  シベリア経由で満州国・新京に赴任
  溥儀に信頼された司令官
  血なまぐさい軍の派閥争い

第3章 吉田茂との運命的な出会い

鼻眼鏡と風の男と喧嘩太郎がいた
  ロンドンの駐在武官に抜擢
  吉田説得の密命を帯びて
  ロンドン・コネクション
辰巳発「微力、説得するを得ず」
  「ミイラ取りがミイラに」
  「英米を選ぶ」と吉田
  不調に終わった会談
「米国を敵にしない法」
  英国王室の歴史的スキャンダル
  「英米派」だった二人
  現実主義に立つ本間
  【米国を敵にしない七提言】
「謝罪」でなく「遺憾」と言え
  吉田の思惑を打ち砕く盧溝橋事件
  兵站無視の「拡大論」
  英国民を驚愕させた事件

第4章 英米派の孤独な戦い

「英米派の孤軍」奮闘す
  帰国命令、そして欧米課長へ
  耳を疑った人事発令
  陸軍内は「拡大派」圧倒
ベルリンへの密使たち
  日独伊三国同盟反対の孤独な戦い
  偽名と変装での渡独
  英に知られていた行動
「西部戦線異状あり」
  ベルギーから決死の脱出
  三度目の英国赴任
  「辰巳行方不明」の報道
「変事の才」チャーチル立つ
  駐英武官としてジョンブル魂をみた
  午餐会での駆け引き
  拍手で迎えられた英首相
英国民は「ロンドン抹殺」に耐えた
  「三国同盟で対英米関係悪化」の情勢判断
  ドイツびいきの松岡
  不撓不屈のジョンブル魂
「ドイツ軍は勝てず」の衝撃
  英国スピットファイアの逆襲
  外れた三国同盟の思惑
  火ぶたが切られた独ソ戦

第5章 風雲急を告げる日米“一触即発”

「日本は本気でやる気か」
  日本側は経済制裁を誰も予測せず
  「銃口」は南方へ
  主戦論高まる日本
机上演習「日米もし戦わば」
  「国防大学」の種が総力戦研究所に
  「PRDC」の秘密
  生かされなかった予測
対英米戦の賽は投げられた
  「独側に立つ」危険を電報で報告するが・・・・・
  「机上の空論」と一蹴
  「東京の判断」は逆
  【仮想内閣閣僚名簿(昭和十六年七月十二日組閣)】
吉田茂、寺崎太郎の戦いと挫折
  外務省内にはびこる枢軸派と“灰色組”
  少数だけでの対米交渉
  「日本は気がふれた」と英紙
断たれた絆―日本大使公邸に軟禁
  もっとも恐れていた戦略
  驚くほど寛容な英政府
  英首相、米参戦で勝利確信
手記にチャーチルへの畏敬記す
  危機にあって団結した英国の強さ
  辰巳の驚くべき分析力
  生かせなかった真珠湾攻撃

第6章 帝都防衛、学童疎開

東条に学童疎開を説得する
  迫り来る本土空襲を予測
  三年ぶりに東京の自宅へ
  大きかった翼賛議員の支援
学童四十万を救った男
  疎開と軍における女子活用を仕掛ける
  南方戦線での苦闘
  白洲の召集を“もみ消す”
サイパンの赴任取り消される
  ロンドン大空襲の経験買われ、帝都防衛を続行
  「内奏は済んだのか」
  日本軍守備隊の玉砕
終戦、死神が遠ざかる
  第三師団長に決まり中国大陸に渡る
  東京の東半分が焼失
  中国で聞いた終戦の詔勅

第7章 敗戦―占領軍がやってきた

勝者が敗者に降伏した
  中国戦線では敗北もせず、終戦の詔勅届く
  「中国共産軍を警戒せよ」
  一兵も残さず上海を出帆
「戦争で負けて外交で勝つ」
  中国大陸にあって武装解除を行う
  終戦前に逮捕された吉田
  天皇制を利用した米政府
天皇制“人質”に憲法迫る
  英文草案に驚愕と憂慮の色を示した吉田
  “無言な三等国”をつくれ
  一蹴された「松本案」
閣下モ偉クナレシモノ成リ
  米国への礼賛者が幅をきかせる
  組閣直前に追放された鳩山
  無力感に苛まれる日々
吉田は憲法を「条約」と考えた
  天皇制残すために戦争放棄受け入れ
  吉田にもちかけた憲法論議
  詭弁で切り抜けるしかない
首相の軍事顧問を拝命す
  ロンドン人脈の再結集
  疑心暗鬼で吉田邸を訪問
  「戦犯関係は問題にならぬ」
対ソ諜報網、極秘で立ち上げ
  中国国民党からの依頼
  本間元中将の霊前に報告
  諜報関係の旧軍幹部に接触
二度と米国に刃を向けさせるな
  「非軍事化」と「民主化」の徹底
  民間諜報局は日本のFBI
  白洲を評価したブラットン

第8章 鉄のカーテンが降ろされた

冷戦の開幕―共産党を歓迎しない
  戦後世界の転換点
  チャーチル熱弁
  GHQの方針急変
  破壊工作の疑い
極秘活動、二つの顔を持つ男
  G2直轄・情報機関の先頭切り奔走
  「イタバシ」発足
  元将校を主要幹部に
ニューディーラーを追い出せ
  GHQ内の対立、日本の政局に直結
  “要注意人物”と面会
  ついえたGSの策謀
帝国陸軍“復活”のまぼろし
  GHQの下に二つの世を忍ぶ秘密組織
  日本軍人を評価
  「憲法九条を改正せよ」
朝鮮戦争の勃発
  旧日本軍が米軍を助けた
  無視された「山口県情報」
  日本軍地図を活用
「東条軍閥の復活」を阻止せよ
  警察予備隊の創設・・・・・再軍備へ動く
  警察力の増強なら・・・・
  “曖昧な軍”の誕生
「君が制服組のトップになれ」
  警察予備隊“寄せ集め”の実態を憂慮
  「時代の大うそ」が始まった
  問題は大佐級の採用
半島は“日米同盟”初戦場だった
  仁川上陸作戦のアドバイスにまでからむ
  満潮時に上陸せよ
  「極秘でやってくれ」と吉田

第9章 吉田が目指した日本独立

元帥の誤算「中共軍の介入なし」
  大統領との対立によりマッカーサー解任
  朝鮮戦争が対日講和のテコ
  総退却となった米軍
多数講和で米国を引きつけよ
  吉田、国家治安省と保安部隊の構想を提示
  再軍備は独立まで行わず
  ダレスとの秘密交渉
「辰巳機関」が動き始める
  米国を活用して近代的な軍を創設
  「民主的軍隊」の始動
  「政府公認」でない仕事
影武者・辰巳に向かう圧力
  警察予備隊の編成進める中、米は増強求める
  ソ連軍の対日脅威高まる
  米軍要求を拒否した吉田
吉田打倒クーデターのまぼろし
  情報自体が内閣を揺さぶる政治的意図か
  旧軍への政府の牽制
  真の狙いは吉田への脅し

第10章 「歴史に消えた参謀」

総理の「007」をつくれ
  情報機関創設に動く吉田、辰巳は旧軍から人選
  吉田に呼ばれたキャノン
  内閣官房調査室の発足
吉田の対中「逆浸透」作戦
  辰巳、引き揚げ者利用の「最高機密計画」を推進
  「内調」とは別組織
  CIAとの共同作戦
「中央情報局」構想の挫折
  外務、内務の主導権争い
  野党とメディアの反発
  吉田の求心力低下などで辰巳の奔走は無駄に
老将は歴史に消え去るのみ
  憲法改正・再軍備・・・・時間がズレたまま二人は逝く
  吉田政権の終焉
  使い勝手のよいイデオロギー

終章 吉田ドクトリンを超えて

  「吉田ドクトリン」は二度死んだ
  辰巳栄一略歴

あとがき

参考文献

解説  中西輝政



今年の読書:11冊目



読書 | 20:42:30 | Comments(0)
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